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【国際】ホテル業界団体ITP、気候変動対応レポート発表。2030年までに原単位66%削減

 英チャールズ皇太子が総裁を務める国際的慈善団体ビジネス・イン・ザ・コミュニティ(BITC)の推進イニシアチブの一つ、「International Tourism Partnership(ITP)」は11月2日、ホテル業の脱炭素アクションをまとめたレポート「Hotel Global Decarbonisation Report」を発表した。同レポート作成では、ホテル業界サステナビリティ・コンサルティングのシンガポールGreenviewも協力した。レポートでは、ホテル業界として、2030年までに一部屋当たりの原単位二酸化炭素排出量を2010年比66%、2050年までに90%削減する必要があるとした。

 BITCは1982年に設立され、800以上の企業や団体が加盟している。ITPは、ホテル業界に関する気候変動、水、人権、女性雇用、若年失業者、サプライチェーンの分野で活動を展開しており、フォーシーズンズホテル&リゾート、ハイアットホテルアンドリゾーツ、ヒルトン・ワールドワイド、マリオット・インターナショナル、IHGグループ、カールソン・レジドール・ホテル・グループ、香港&上海ホテルズ、NHホテル・グループ、ダイヤモンドリゾーツ・インターナショナル、タージ・ホテルズ・リゾーツ&パレス、ウィットブレッド、ソネバのホテルブランド世界大手13社が参画している。

 ITPは今年9月、ホテル業界の2030年目標を制定。世界に二酸化炭素排出量の1%を占めるホテル業界は、2030年までに二酸化炭素排出量の総量を2010年比66%、2050年までに90%削減ことを掲げた。また、水プログラムの開始、人権リスクの特定、2030年までに25歳以下の若者100万人に雇用支援プログラムを提供する等を定めた。



(出所)ITP

 今回発表されたITPのレポートでは、SBTイニシアチブが開発した「SDA(セクター別脱炭素化アプローチ)」が予測するホテルの伸び率より、実際に遥かに高い伸び率を見通した。そのためか、2030年目標では総量削減に言及していたが、今回のレポートでは、2030年までに一部屋当たりの原単位二酸化炭素排出量を2010年比66%、2050年までに90%削減する必要があると内容を原単位に修正した。個々のホテル企業の削減必要量は大きく異なるとして、個別に科学的根拠に基づく削減目標設定(SBT)を行うことを推奨した。排出量の削減に向けては、ホテル設備や機器の省エネルギー、再生可能エネルギー電力の使用、インフラの電化の3つを挙げた。投資資金の調達については、グリーンボンドやクラウドファンディングを挙げた。また、ホテルブランドは積極的にホテルオーナーと対話し、削減に導いていくべきだとした。

 地域別には、ホテル業界の二酸化炭素排出量は今後中国が33%、米国が15%と、二カ国だけで約半分を占めるとし、とりわけ中国と米国での取り組み強化を求めた。

【参照ページ】ITP carbon report provides hotel sector’s goal to mitigate climate change
【目標】ITP’s Goals and Vision for 2030
【レポート】Hotel Global Decarbonisation Report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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