気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System;NGFS)」は5月29日、新たに4カ国が加盟した。金融庁も6月4日に加盟した。
NGFSは当初、英イングランド銀行、ドイツ連邦銀行、フランス銀行、オランダ銀行、スウェーデン金融監督機関、中国人民銀行、シンガポール通貨金融庁、メキシコ銀行の中央銀行8行で発足。すでに第1回の会合を仏パリで開催し、オランダ銀行のFrank Elderson理事がNGFS議長に就任。フランス銀行が事務局を務めることが決定した。また、ドイツ連邦金融監督庁とフランス健全性監督機構もメンバーに加わった。
【参考】【国際】英独仏蘭中など中央銀行・金融当局8機関、気候変動金融リスク管理検討で会議体発足。日本は未参加(2017年12月14日)
5月29日に新メンバーとなったのは、モロッコ銀行、スペイン銀行、欧州中央銀行(ECB)、オーストリア国立銀行の4機関。また、経済協力開発機構(OECD)もオブザーバー資格でメンバー入りした。
さらに6月4日、日本の金融庁(FSA)とベルギー国立銀行がメンバー入りした。同時に、世界銀行グループ、国際決済銀行(BIS)、欧州復興開発銀行(EBRD)もオブザーバー資格でメンバー入りした。
NGFSは5月29日、3つの活動ミッションを掲げた。まず、ミクロプルーデンス分野では、環境リスクをミクロプルーデンス監督に統合させる手法を整理し、環境リスクや気候変動リスクを適切に管理するための情報開示制度を検討する。次にマクロプルーデンス分野では、気候変動がもたらす物理的リスクや移行リスクによる金融システミックリスクの定量化に努める。そして金融機関の監督行政にESG基準を盛り込み、グリーンファイナンスを拡大していくための中央銀行や規制当局の役割を検討する。
NGFSは2019年4月までに最初の活動進捗レポートを公表する予定。
【参照ページ】Publication of the mandates of the NGFS technical workstreams and expansion of the NGFS membership
【参照ページ】NGFS(気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク)への参加について
【機関サイト】NGFS
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