アパレル世界大手スウェーデンH&MグループのH&M財団は9月3日、香港繊維アパレル研究開発センター(HKRITA)と共同で、初となる繊維リサイクル施設を香港に2ヶ所設立すると発表した。ジュネーブ国際発明賞金賞を受賞した熱水処理リサイクル技術を用いて、コットンとポリエステルを分離し、個々の繊維の品質を下げずにリサイクルできる。
これまで混紡布地の分離は難しかったが、2016年にH&M財団とHKRITAが4年間のパートナーシップを締結し、技術開発を開始。わずか1年で実現させ、ジュネーブ国際発明賞金賞を受賞した。開発には、日本の愛媛大学と信州大学も携わっており、島精機製作所の機械も導入されている。今回、混紡布地のリサイクルが実現できたことで、「サーキュラーエコノミー」を目指すアパレル業界にとって大きな飛躍となる。
今回のリサイクル施設のうち、一つは大手工場に導入され、実用運転される。もう一つは、香港紡績大手Novetexも参加し、小型コンテナ施設「Garment-To-Garment Recycling System」が、アパレル業界コラボレーション推進ビル「The Mills」にオープンした。消費者の体験施設として位置づけられており、不要な衣類を実際にリサイクルする体験ができる。
H&M財団は、4年間のプロジェクトでHKRITAに580万ユーロ(約7.5億円)の資金拠出を計画。財源は、H&Mが世界中で実施した古着回収サービスの余剰金で、H&M財団は余剰金の50%をリサイクル技術開発に、残り50%を社会貢献活動に拠出している。
【参照ページ】NEW FACILITIES FOR TEXTILE BLEND RECYCLING TAKES FASHION INDUSTRY ONE STEP CLOSER TO CIRCULARITY
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