欧州委員会のサステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ(TEG)は12月7日、サステナブルファイナンスにおける「サステナブル」の定義(タクソノミー)案を発表した。今回の発表は、欧州委員会が5月24日に発表したサステナブルファイナンス政策パッケージの具体化第一弾。2019年2月22日までオンラインでフィードバックを募り、説明会も開催する。
【参考】【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンス政策案発表。今後、EU理事会・欧州議会で審議(2018年5月28日)
【参考】【EU】欧州委員会、サステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ委員35名任命(2018年6月19日)
TEGのミッションは、「サステナブルの定義」「EUグリーンボンド基準の設定」「低炭素投資ベンチマークの整備」「気候関連財務情報開示のガイダンス作成」の4つ。「サステナブルの定義」では環境観点のみを扱い、とりわけ気候変動に重点が置かれている。EUでは、今後気候変動分野には大きな投資が必要と判断しており、定義を明確化することで、各政策分野の一体遂行と、民間分野からの投資促進を図りたい考え。
今回発表の定義では、環境サステナブルの考慮観点として「気候変動緩和」「気候変動適応」「水及び海洋資源の持続可能な使用及び保護」「サーキュラーエコノミー・廃棄物マネジメント・リサイクル」「汚染防止コントロール」「健康的な生態系の保護」の6つを設定。これらの観点を活用し、EU標準産業分類「NACE」を用い、各産業分野ごとに「サステナブル」とみなされるものを固めた。
今回設定の定義は、金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局(DG FISMA)、環境総局(DG ENV)、気候行動総局(DG CLIM)、エネルギ―総局(DG ENER)で進められている「サステナブル」定義の議論にも反映されるため、各総局に関連するステークホルダーにも積極的なフィードバックを求めている。
【参照ページ】Invitation for feedback and expert workshops on taxonomy
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