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【日本】環境省と農水省、食品ロス発生抑制と食品リサイクルの今後の方向性提示。事業者への要求強化

 環境省の中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会と農林水産省の食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会合は2月4日、報告書「今後の食品リサイクル制度のあり方について」を取りまとめ、現状分析と今後の方向性を発表した。原案を2018年12月に公表し、12月26日から1月24日までパブリックコメントを実施した。

 食品リサイクル法は、可食部分の廃棄物「食品ロス」と不可食部分の廃棄物も含む「食品廃棄物」の発生削減と、食品廃棄物の再生利用(食品リサイクル)の2つについてルールを定めている。同法は2000年に制定され、2007年には100t以上の食品廃棄物等を排出する事業者を食品廃棄物等多量発生事業者として位置づけ、毎年の発生量報告を義務化する法改正を実施。2014年には、26業種の食品廃棄物等の一層の発生抑制のため発生抑制の努力目標値を告示で定め、2015年には5業種を追加した。また、食品リサイクルについては、2000年から再生利用等実施率の努力目標も定めている。

 食品ロスの発生削減の現状では、環境省と農林水産省が2014年に設定した業種ごとの目標値については、約9割の企業が達成。但し、目標値は約7割の事業者が達成できている水準で設定されたため、4年が経過し、達成率が約2割増えただけ。食品ロスは毎年300万t発生ていると推計されている。食品廃棄物の発生削減は、近年は横ばい状態にあり課題がある状況。

 食品リサイクルの状況では、2014年から2019年までの5年目標を設定し、報告対象業種を「食品製造業」「食品卸売業」「食品小売業」「外食産業」の4つに括って進捗状況を公表している。食品製造業は、目標値95%に対しすでに95%に到達。食品卸売業は目標値70%に対し現在65%。食品小売業は目標値55%に対し現在49%で、やや改善した。外食産業は目標値50%に対し現状23%で、目標設定時の状況25%よりも悪化している。外食産業については、「外食産業に少量かつ多様な食品廃棄物等が発生し、また、塩分及び油分を多く含み、箸や楊枝等の異物混入の可能性がある」と、食品リサイクルの難易度の高さに言及し、その分、食品ロスの発生抑制が重要となるとの見解を示した。


(出所)今後の食品リサイクル制度のあり方について

 食品リサイクルが進んでいない理由については、「周辺に再生利用事業者が存在しないため」と指摘。単に存在していないだけでなく、市区町村による事業系一般ごみの回収費用に比べ食品廃棄物回収業者の回収料金が高く、食品関連事業者が一般ごみでの廃棄を選択してしまうため、結果的に食品リサイクル事業に必要な食品廃棄物回収ができなくなる、という経済合理性面での問題を挙げた。地元の理解が得られず土地確保が難しいケースも挙げた。

 今後の方向性では、「事業者毎の進捗状況の公表」「発生抑制目標値の強化」「発生抑制目標値を現在対象外の44業種にも設定」「市区町村が一般廃棄物処理計画の中で食品廃棄物の排出抑制や再生利用の推進方策を位置づけ」等を掲げた。

【参照ページ】今後の食品リサイクル制度のあり方について(報告書)の公表及び意見の募集(パブリックコメント)の結果について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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