ユーグレナとデンソーは2月20日、バイオ燃料事業の開発、微細藻類培養技術の研究開発、微細藻類の食品・化粧品等への利用、微細藻類による物質生産の4分野で包括的提携する基本合意を交わしたと発表した。
バイオ燃料事業の開発では、2020年に国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を計画しており、2018年11月には日本をバイオ燃料先進国にする「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」を宣言。2018年10月末には、バイオ燃料製造実証プラントを竣工し、2019年にバイオジェット・ディーゼル燃料の実証製造・供給を予定している。一方、デンソーも、2008年から微細藻類コッコミクサKJ(旧名シュードコリシスチス)を活用したバイオ燃料の研究に取り組み、藻体に占める油脂分の蓄積効率向上の研究および屋外大量培養技術の確立に向けた実証実験に取り組んでいる。今回の提携では、デンソーのコッコミクサKJから抽出される油脂を、ユーグレナのバイオ燃料実証プラントで原料の一部として活用し、将来的な原料調達の多様化と安定的な供給を目指す。また、デンソーは製造されたバイオディーゼル燃料の一部を社内運行バスに使用することを検討する。
微細藻類培養技術の研究開発では、両社の微細藻類の育種・培養・回収・抽出などの工程に関する技術・ノウハウの相互補完し、生産コストの削減を目指す。
微細藻類の食品・化粧品等への利用では、ユーグレナの研究開発力および商品の企画・開発・販売力を活かし、デンソーのコッコミクサKJの収益化を進める。現在、ユーグレナは、微細藻類を活用した食品や化粧品等を販売。一方、デンソーは、コッコミクサKJをが有する機能性成分のヒトの免疫力向上や、インフルエンザ、ノロ、ヘルペス等のウィルス抑制効果について研究を進め、2014年からは優れた保湿成分を持つボトリオコッカスという藻のオイルを使用した「モイーナ」というハンドクリームも販売している。
微細藻類による物質生産では、ユーグレナは、市場で求められる機能性成分の研究開発に関する知識やノウハウと、藻類が生産する物質の代謝解析技術を保有。一方、デンソーは、燃料研究の成果として微細藻類の遺伝子を改良する技術を有し、また遺伝子改良を高速かつ自動で行うことのできる設備を開発・保有。今後、両社の先端技術の融合により、微細藻類の特性を利用して有用な物質を効率的に生産することを目指す。
【参考】【エネルギー】バイオ燃料の種類・実用性・課題(2014年8月9日)
【参照ページ】ユーグレナ社×デンソー、微細藻類を活用した事業開発で包括的提携
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