米グッゲンハイム美術館は3月、オピオイド系鎮痛剤「オキシコンチン」を開発したパーデュー・ファーマ創業家「サックラー家」との関係を全て絶ったと発表。英ナショナル・ポートレート・ギャラリーも、サックラー家が運営するサックラー財団からの寄付金100万ポンド(約1億4,600万円)を拒否し、英テートも同様に寄付金を断ったという。
オピオイドは、中枢神経や末梢神経に存在する特異的受容体(オピオイド受容体)への結合を介してモルヒネに類似した作用を示し、麻薬性鎮痛剤とも言われている。現在、長期投与に伴う中毒状態の危険性に関し、正しい情報を伝達してこなかったとして大量の訴訟が米国やカナダで起こされている。
【参考】【アメリカ】オピオイド製薬大手パーデュー・ファーマ、連邦倒産法第11章申請を検討か。オピオイド汚染問題(2019年3月9日)
【参考】【カナダ】オピオイド関連死が増加。政府は警告ステッカーの貼付を義務付け(2018年5月13日)
【参考】【アメリカ】オピオイド系薬剤の過剰処方や乱用で33,000人以上が死亡。諮問委員会報告(2017年12月2日)
パーデュー・ファーマは、1991年設立だが、前身企業の祖業は1852年にまで遡る。当時の企業は経営不振に陥り、1952年にサックラー家のアーサー、モーティマー、レイモンドの3兄弟が買収。1991年に現存する法人に改編した。1997年にオキシコンチンを開発し、その後、いっきに富を集めたサックラー家は、有名大学や有名美術館に積極的に寄付を行ってきた。当家のアーサー氏は1987年に死去し、モーティマー氏も2010年、レイモンド氏も2017年に死去しているが、その後も3人の子どもたちが同社の経営や寄付活動に関与してきた。だが、訴訟が頻発し、3月までにサックラー家は全員同社の役員を退任していた。
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