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【国際】P&G、ブランド2030の展開状況公表。廃プラ、動物実験、環境負荷削減等

 消費財大手米P&Gは4月26日、同社が掲げる「ブランド2030」について、各主力製品で展開しているアクションの例を紹介した。また、マレーシアのパーム油小規模生産者向けの支援プログラムも発表した。

 同社のブランド2030は「ブランド・アンビション」と「ブランド・ファンダメンタルズ」の2つの領域で基準を設けている。ブランド・アンビションでは、社会または環境に関する戦略的な方針を消費者の体験の中心に据え、ブランド独自の有意義なインパクトを生み出せる社会的課題に取り組む。他方、ブランド・ファンダメンタルズは、製品とパッケージに革新技術を取り入れ、社会的・環境的な持続可能性を促進するためにブランドの影響力を利用し、原料と安全科学について透明性を高め、またサプライチェーンによる負荷を軽減している。

 今回発表した商品事例は、洗濯用洗剤アリエール、ヘアケア製品ハーバルエッセンス、おむつ製品パンパースの3つ。アリエールでは、「製品、サービス、容器・包装の技術革新を進めることで、エネルギーや水などの影響の大きい主要領域で資源消費を50%削減し、洗濯を改良する」がアンビション。そのためのファンダメンタルズとして今回、2022年までに全アリエール製品のパッケージをリサイクルし、2025年までにプラスチック使用量の30%を削減する取り組みを発表した。男性も女性も家事仕事を平等に分担しようというメッセージを伝えるフランスの「Partage des taches」やインドの「Share the Load」等のキャンペーンを通じ、平等な未来を形作る一助としてその影響力を活かしている。

 ハーバルエッセンスでは、「自然が持つ前向きな力をあらゆる人が体験できるよう、人と地球に恩恵をもたらす生物多様性の保護を実現する」がアンビション。そのため、ファンダメンタルズとして、原料に関する広範な情報共有、4ステップの安全プロセスの明快な説明、動物愛護団体PETAによるクルエルティ(動物実験)フリー・ブランド認定を実施中。ハーバルエッセンス「ビオリニュー」は、世界ブランド大手のヘアケア製品では初めて、製品の植物性成分について植物に関する一大権威であるキュー王立植物園の承認を受けた。また米国では、視覚障害のある人たちに役立つデザインの包装・容器と海洋プラスチック製ボトルの導入も進めている。

 パンパースでは、「医療専門家、親、非政府組織と協力して、数百万人の赤ちゃんに健全で健康的な発達の機会を提供する」がブランド・アンビション。ファンダメンタルズでは、「おむつ期間中に使用されるおむつの材料を赤ちゃん1人につき30%削減する」「同一の乾燥状態におけるおむつの平均重量を過去3年間で18%削減」「おむつとおしりふきのリサイクルを率先し、2021年までに3都市でリサイクル施設を開設」等「大義のための7つの行動」ユニセフとの提携により、パンパースは24カ国で母子破傷風の排除を支援してきた。2019年3月にはさらに1カ国、チャドで破傷風の排除を達成し、2006年以来およそ8万8000人の新生児の命4が救われている。

 マレーシアでのパーム油調達では、Malaysia Institute for Supply Chain Innovation(MISI)、International Plant Nutrition Institute(INPI)、ヤラ・インターナショナルの3社との新たな協働を発表した。P&Gは2015年から2018年まで、マレーシアのジョホール州で小規模パーム油農家2,000人を対象に、現状のキャパシティ把握に取り組んできた。その成果を受け、今後5年間で小規模パーム油農家1万人に農業指導をするための中核センター農場を250ヶ所設置する。この取組で、同社の調達農家の生産性を30%から50%拡大する。現在の世界のパーム油の40%は、小規模農家で生産されており、ナレッジ面で生産性や所得を向上させることができる。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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