総合電機世界大手独シーメンスは5月7日、ガス・電力事業を分社化し上場させる経営企画を、ドイツ会社法上の最高意思決定機関である同社監査役会(Supervisory Board)が承認したと発表した。エネルギー事業をシーメンスの事業ポートフォリオから切り離した上でエクスポージャーを減らし、新たに株主を集める。新会社は2020年6月の臨時株主総会で決定する予定。
新会社は、売上300億ユーロ(約3.7兆円)、従業員数8万人。分社化される事業は、石油・ガス、非再生可能エネルギー発電、送配電及びそれに関連するサービス事業。再生可能エネルギー分野では、シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)が風力発電をメインに事業展開しているが、シーメンスが保有するSGREの全株式(59%分)も新会社に売却し、移管する。
一方シーメンスは、スマート・インフラとデジタル産業をコア事業として成長させる。スマート・インフラでは、成長市場であるアジアを攻め、モノの販売だけでなく関連サービス販売も拡充する。特に、将来嘱望される電気自動車インフラ、スマートビルディング、蓄電池(バッテリー)に注力し、スマート・インフラ事業全体の5%ほどの割合を占めるまでに伸ばす。そのため2023年までに約6,000人を新規雇用する。
デジタル産業では、研究、生産、販売等で世界全体で約12,000人を新規雇用する。一方、必要でないスキル分野を中心に約4,900人をリストラし、従業員を大幅に入れ替える考え。ドイツの監査役会は、使用者側代表と労働者側代表で構成されており、経営計画承認に当たり、労働者側代表からは雇用保護対策を求める声も上がり、従業員が今後必要となるスキルを再教育する資金「Fund for the Future」を社内に設置することでも合意した。
【参照ページ】Siemens to build focused energy powerhouse and further boost performance
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