【国際】世界経済フォーラム、ASEANの若者調査。スキル獲得やIT関心高い一方でSTEM軽視 2019/08/30 最新ニュース

 世界経済フォーラム(WEF)は8月16日、シンガポールIT企業Seaと協働して実施した調査の結果を発表。東南アジアの若者は、給与以上にスキル獲得を重視する一方で、就職希望者が最多となるIT分野で必要なSTEMスキルは、軽視される傾向にあるとした。今回の調査は、15歳から35歳までのASEAN在住の若年層56,000人を対象に実施された。

 同調査では、回答者の9%が自身のスキルをすでに時代遅れだと認識しており、52%はスキルの継続的なアップデートが必要だとしている。現在のスキルが自身の今後のキャリアの大部分において関連があると回答した者は、19%に過ぎなかった。

 WEFは、こうしたスキルへの懸念は、ASEANの職に対する考え方を反映したものだと分析。事実、ASEANの若者の転職は、「スキル獲得」を目的とするケースが最多であり、「高収入」は第二位だった。回答者の中には、「ポジティブなソーシャルインパクトの創出」や「イノベーティブな労働環境」を求める声もある一方で、5.7%は、「自身のスキルと業務の関連が無くなった」こと、もしくは「テクノロジーに代替されてしまった」ことを理由に職を失っている。さらに、回答者の81%は、インターンシップが教育と同程度、もしくはそれ以上に重要だと考えている。半数以上は次の3年に、他のASEAN諸国でスキル獲得に向けた就労経験を積みたいと回答した。

 同調査の結果では、ASEANの若者が重視しているスキルとは、「クリエイティビティ」や「イノベーション」であり、EQ(感情知性)等のソフトスキルには自信があると回答している。一方で、科学・技術・工学・数学(STEM)スキルは軽視される傾向にあり、「数学・科学」、「データ分析」は最も軽視されていた。

 しかし、注目すべきは将来働きたい会社についての調査結果だ。STEMスキル軽視にもかかわらず、ASEANの若者は最も魅力的な産業として「ITセクター」が挙げている。回答者の7%が現在従事しており、16%が将来的に働きたいと回答している。また、起業志向も強く、現在31%が起業家であるかスタートアップに勤務し、33%は将来的に起業したいと回答している。

 それに対して、これまでASEANの労働市場の支えてきた中小企業は人気が無く、回答者の18%が中小企業に勤めているが、将来的にも継続勤務したい者は8%しかいなかった。中小企業は大企業よりも研修が充実していないことが背景にあり、中小企業が不人気な背景にも若者のスキル獲得志向が表れているとした。セクター別に見ると、製造業や教職は、将来も継続勤務したいという回答者が現従事者の割合を下回り、今後厳しい採用環境になると分析した。

 労働者のスキル獲得に向けた再トレーニングの需要に応じて、2018年11月には「ASEAN Digital Skills Vision 2020」がバンコクで開始された。同プログラムは、2020年までに中小企業に従事する2000万人に対する再トレーニングの実施と、インターンシップ機会の提供を行う。同プログラムには、これまでに以下16の団体が参加している。

  • BigPay
  • Certiport
  • a Pearson VUE Business
  • シスコ
  • FPT Corporation
  • General Assembly
  • Golden Gate Ventures
  • グーグル
  • Grab
  • Lazada
  • マイクロソフト
  • ネットフリックス
  • Plan International
  • Sea
  • thyssenkrupp
  • Tokopedia
  • VNG Corporation

【参考】South-East Asia Youth Survey: Skills Prized over Salary

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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