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【国際】ノルウェー環境NGO、航空産業のバイオジェット燃料化は熱帯雨林破壊リスク。パーム油と大豆油は危険

 ノルウェー環境NGOのRainforest Foundation Norwayは10月1日、国際民間航空機関(ICAO)が掲げる航空産業の二酸化炭素排出量を2050年までに50%削減するという国際目標について、慎重に行わければ巨大な熱帯雨林破壊をもたらすと警鐘を鳴らすレポートを発表した。航空産業の排出削減では、ジェット燃料をバイオジェット燃料に切り替えることが主流となるが、バイオジェット燃料の原料作物生産により熱帯雨林が伐採されるリスクがある。

 現状、バイオジェット燃料については、多様の技術が開発されているものの、商業ベースでの生産が可能なのは「水素化処理エステル・脂肪酸(HEFA)」を呼ばれるバイオジェット燃料で、植物油や動物油を加工しジェット燃料化させるものに限られている。HEFA燃料で最も安価で入手が容易な原料は、パーム油、大豆油。一方、パーム油と大豆の生産は、世界の熱帯雨林破壊の主要因となっている。

 同NGOの試算によると、ICAOで合意した削減目標を実現するには、2030年にパーム油が現状より3,500万t、パーム原油の精製過程で得られる脂肪酸蒸留物(PFAD)が350万t、大豆油が3,500万t必要になる。現在のパーム油の生産量が年間7,000万tということに鑑みると、非常に多くのパーム油や大豆油が必要になることがわかる。

 また同NGOは、前述の植物油生産のために、2030年には熱帯雨林320万haが消失し、土地利用変化(LUC)による二酸化炭素排出量が5Gt増加すると述べた。それを避けるためには、パーム油や大豆油を使わない道を模索しなければならないと提言した。

 KLMとマイクロソフトは10月3日、バイオジェット燃料を用いたフライトで提携したが、原料には、森林破壊を伴わないことを示す「持続可能なバイオ原料円卓会議(RSB)認証」を取得している。

【参考】【国際】KLMとマイクロソフト、航空機のバイオジェット燃料化で提携。CO2削減目指す(2019年10月9日)

【参照ページ】Aviation climate targets may drive 3 million hectares of deforestation

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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