国際通貨基金(IMF)理事会は4月13日、新型コロナウイルス・パンデミックにより財政が厳しくなっている後進国25カ国に対し、同機関の「大災害抑制・救済基金(CCRT)」を活用した無償援助を行うことを決定した。財政負担を軽くすることで、国家財政の信用下落防止による通貨危機対策と、パンデミックへの対応強化が期待されている。
IMF理事会は3月27日、CCRTを活用し後進国のIMFへの債務を最大2年間分免除するために活用することができるようCCRTの規定を変更。同時に各国に対しCCRTへの資金拠出(寄付)を要請していた。当時の基金規模は2億米ドル(約210億円)。今回、英国が新たに拠出した1.85億米ドル、日本が拠出した1億米ドル、中国とオランダが拠出した金額が加わり、現在は5億米ドル(約540億円)にまで増えた。IMFは、CCRTを14億米ドルにまで引き上げたい考え。4月14日に開催されたG7財相・中央銀行総裁電話会議では、CCRTへの速やかな資金拠出を呼びかけることで合意した。
対象国は、アフガニスタン、ベナン、ブルキナファソ、中央アフリカ、チャド、コモロ、コンゴ民主共和国、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ハイチ、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モザンビーク、ネパール、ニジェール、ルワンダ、サントメ、プリンシペ 、シエラレオネ、ソロモン諸島、タジキスタン、トーゴ、イエメン。IMFは、対象25カ国の今後6ヶ月分の債務を免除するため、約2.15億米ドルを拠出する。
IMFは、発展途上国での財政危機を防ぐため、積極的に各国の財政状況をモニタリングすることを3月25に決定。また、IMFの理事会は、通常の政府向け融資や融資枠設定を、ここ数週間で数多く決定。3月24日以降でも、ガーナ、ソマリア、ヨルダン、キルギス、ホンジュラス、ギニア、セネガル、ルワンダ、マダガスカル、モロッコ、ガボン、アルバニア、コソボ、チュニジア、北マケドニアなどがある。但し、4月14日のG7財相・中央銀行総裁電話会議では、IMFの本丸の融資事業の財源となる特別引出権(SDR)の増資では合意に至らなかった。米国が反対しているという。
【参照ページ】IMF Executive Board Approves Immediate Debt Relief for 25 Countries
【参照ページ】IMF Enhances Debt Relief Trust to Enable Support for Eligible Low-Income Countries in the Wake of the COVID-19 Pandemic
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