資源採掘世界大手英アングロ・アメリカンは5月7日、株式から質問に対する回答の中で、南アフリカの一般炭(石炭)採掘事業から3年以内に撤退する考えを明らかにした。南アフリカは同社の石炭採掘事業で最大の事業規模を誇る。
アングロ・アメリカンは、1917年に当時英国の植民地だった南アフリカで金を採掘するため、JPモルガンが資金を拠出する形で設立。1998年に金採掘事業は、アングロ・ゴールドとして分社化され、その後アングロ・アメリカンは、アングロ・ゴールドの株式を売却し、今はほとんど権益を持っていない。一方、現在の主力事業は、ダイヤモンド、プラチナ、クロム、銅、ニッケル、マンガン、レアメタル等の採掘。石炭は、一般炭と原料炭の双方を手掛けるが、2015年からオーストラリアでの一般炭採掘事業の売却を本格化し、今ではオーストラリアでは原料炭事業しか残っていない。
アングロ・アメリカンは、時代とともに大幅に事業ポートフォリオの入れ替えを行ってきており、売却した権益は、日本企業が購入することも多い。2011年にはチリの銅鉱山権益を三菱商事に、2018年にもペルーの銅鉱山権益を三菱商事に売却。2019年にはオーストラリアのグローブナー原料炭炭鉱の権益の12%を、日本製鉄、三井物産、日鉄物産、神鋼商事、JFEミネラルの5社のコンソーシアムに売却している。
同社は現在、南アフリカに複数の一般炭炭鉱を保有しているが、近年、権益の売却を進めてきた。今回の声明では、残りの権益については分社化し、ヨハネスブルグ証券取引所に単独上場させる考え。完了すると、アングロ・アメリカンの一般炭炭鉱は、コロンビアにあるBHP及びグレンコアとの3分の1ずつの出資案件である「Cerrejón炭鉱」だけが残ることになる。
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