全米23州及びコロンビア特別区、主要4都市は5月23日、米連邦政府の燃費規制緩和ルール導入に反対する行政訴訟を起こした。トランプ政権は3月、オバマ前政権時代に決定した燃費規制を大幅に引き下げることを決定しており、各州はその撤回を求めて裁判で争うこととした。
米運輸省(DOT)と米環境保護庁(EPA)の決定では、2026年までの燃費規制においてオバマ政権時代に決めたガソリン・ディーゼル当たりの走行距離を毎年5%増とする式順を緩和し、毎年1.5%増に留める新基準を発表。理由について、自動車車両価格の引き下げと説明した。
【参考】【アメリカ】自動車大手4社、カリフォルニア州政府と燃費規制維持で合意。規制緩和の連邦政府に反意(2019年7月28日)
【参考】【アメリカ】EPAとDOT、カリフォルニア州の新燃費規制案を連邦法違反と警告。即刻撤回要請(2019年9月10日)
今回提訴した州は、カリフォルニア州、ニューヨーク州、イリノイ州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ネバダ州等23州。提訴に加わった市は、ニューヨーク市、デンバー市、サンフランシスコ市、ロサンゼルス市。二酸化炭素排出量を削減し、気候変動対策を進めるべきと主張している。
また、シエラクラブ、環境防衛基金(EDF)、生物多様性センター、憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)等の環境NGO12団体も、原告側を支持する声明を出した。
フォード、本田技研工業、フォルクスワーゲン米国法人、BMW北米法人の4社はすでに、カリフォルニア州との間で、同州独自の高い燃費基準を遵守することで合意している。
また、トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、マツダ、スズキ、SUBARU、GM、BMW、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、ランドローバー、ボルボ、現代自動車、起亜自動車、デンソー、パナソニック、インテル、ボッシュ等が加盟する米自動車業界団体Alliance for Automotive Innovationは、トランプ政権の新基準をさらに緩和するよう求める別の訴訟には反対し、連邦政府の燃費規制強化を支持する声明を発表した。しかし、フォード、本田技研工業米国法人、フォルクスワーゲン米国法人、BMW北米法人、メルセデス・ベンツ米国法人、ポルシェ米国法人の6社は。同業界団体の声明に不参加。新基準が低すぎるとの考えを示唆した。
【参照ページ】Attorney General Becerra Files Lawsuit Challenging Trump Administration’s Reckless Rollback of America’s Clean Car Standards
【参照ページ】U.S. DOT and EPA Put Safety and American Families First with Final Rule on Fuel Economy Standards
【参照ページ】Auto Innovators Intervenes in Fuel Economy Litigation
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