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【国際】ユニリーバとロレアル、「美白」表現廃止。食品大手もブランド刷新。人種差別関心高まりで

 米国で人種差別への関心が大きく高まる中、消費財や食品企業の間で、製品や企業のブランディングを変更する動きが相次いでいる。6月19日にはジョンソン・エンド・ジョンソンが、「美白」商品は「白人優位」を暗示するとしてアジア及び中東で美白クリームの販売を中止すると発表しているが、さらに他社にも動きが広がってきた。各社は非常に難しい舵取りを迫られるようになっている。

【参考】【国際】J&J、アジアと中東で美白クリームの販売中止。人種差別の批判受け

 消費財世界大手英蘭ユニリーバと同社インド子会社ヒンディスタン・ユニリーバは6月25日、数ヶ月以内に、アジアで展開するスキンケアブランド「Fair & Lovely」のパッケージや広告から「ホワイト/ホワイトニング」「フェア/フェアネス」「ライト/ライトニング」という表現をなくすと発表した。今回の取り組みは、インクルージョンの一環。「フェア」には英語で「色白」の意味がある。

 「Fair & Lovely」は、2014年以降、肌の色と可能性や価値を紐づけないという原則のもと、女性を力づける広告メッセージに変化し続けている。2019年には、同ブランドがインドで展開する美容パックの広告から、利用前後の比較やシェードガイドをなくし、肌の透明度やトーン等についての広告コミュニケーション改善を進めてきた。今後は「Fair & Lovely」のブランド名も刷新し、インド等も含む複数国において、肌の色に依らず、様々な美の在り方を追及していく。

 ユニリーバは今回、同ブランドは、美白を目的としていない点を強調。成分も環境や健康を重視するため、水銀や漂白剤等の有害化学物質からの移行として、ビタミンB3、グリセリン、UVA、UVBの日焼け止めを含有。配合は徐々に変更し、B6、C、E、アラントイン等、肌の健康を改善し、紫外線や環境汚染から肌を守るビタミンを組み入れていると説明した。

 ユニリーバは、「Fair & Lovely」が以前からダイバーシティ&インクルージョンに積極化してきたことも強調した。2003年には、女性の教育促進のための基金「Fair&Lovely Career Foundation」を設立。2017年には、モバイルで利用可能なキャリアと教育プラットフォームを開発した。同プラットフォームでは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学設立の教育機関edX.orgや、ITスキルトレーニング会社NIIT Limited、English Edge、英語トレーニング専門家等と協働し、キャリアガイダンスや教育コースを提供する。2019年末までに、女性60万人を含む100万人以上が登録。35万人以上がキャリアテストを完了しているとした。

 ロレアルは6月28日、同社の全製品で、「ホワイト/ホワイトニング」「フェア/フェアネス」「ライト/ライトニング」の表現を禁止すると発表した。ロレアルに対しては、ロレアルの英国法人は2017年に、マンロー・バーグドルフ氏を同社初のトランスジェンダー・モデルとして起用したが、その後、マンロー・バーグドルフ氏がフェイスブックに白人差別と採られかねない投稿をしたことで批判を受け、数週間後に契約を解除。しかし最近、その話題を持ち出し、反対にアフリカ系米国人への差別を指摘する声が上がっていた。

 ペプシコ子会社のクエーカーオーツカンパニーは6月17日、1889年から続くシロップ等の食品ブランド「Aunt Jemima」について、2020年代4四半期からブランドイメージを刷新すると発表した。「ジェミカおばさん」は、白人家庭の奴隷家政婦を彷彿とする社会的イメージ「黒人マミー」との指摘も多く、今回130年続いたブランドを変更することに踏み切った。同社は同時に、今後5年間で、「Aunt Jemima」ブランドから500万米ドル(約5.5億円)以上の支援をアフリカ系米国人コミュニティに対し実施することも表明した。

 同様に、チョコレート大手マースは6月19日、1943年から続くコメ食品ブランド「Uncle Ben's」について、ブランドイメージを刷新する考えを表明した。Uncle Ben'sは、アフリカ系米国人男性をブランドイメージとして活用している。マースによると、「ベンおじさん」は当時、高品質のコメ生産農家として知られていたという。刷新の時期は今後検討する。

【参照ページ】Unilever evolves skin care portfolio to embrace a more inclusive vision of beauty
【参照ページ】HUL announces next step in the evolution of skin care portfolio, reiterating its commitment to a more inclusive vision of beauty

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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