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【国際】OECD、使用済み核燃料の最終処分に関する検討報告書発表。経産省が強くサポート

 経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)は8月11日、原子力発電所の使用済み核燃料の最終処分に関する研究協力や人材交流の促進について、政府の役割や各国でのベストプラクティスをまとめた報告書「ハイレベル政府代表からの国際協力に関するメッセージ」を発表した。同報告書は、使用済み核燃料(SNF)と高レベル放射性廃棄物(HLW)の双方を対象にしている。

 同報告書の作成は、原子力発電所を推進する経済産業省が全面的にバックアップした。日本政府は、2019年6月に軽井沢で開催された「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」での合意に基づき、世界の主要な原子力利用国政府が参加する「最終処分国際ラウンドテーブル」を発足。日米両政府が共同議長となり、2019年10月に第1回、2020年2月に第2回会合を開催し、同報告書をとりまとめた。最終報告書は、提言ではなく、「メッセージ」という形で会議の内容を要約したものとなった。

 同報告書では、使用済み核燃料を地下に貯留する地層処分については、手順を踏み、状況に柔軟に対応しながら、透明性を完全に実現する意思決定プロセスに、事業者、政府、一般社会が十分に関与していくことが重要との考えを示した。特に信頼を醸成するために慎重に議論を進めることが成功確率を高めるとした。また、地層処分場の決定だけでなく、ライフサイクルを通じて、長期的なエンゲージメントをすべきとした。

 また使用済み核燃料の地層処分では、国のプロジェクトとしてだけでなく、地域のプロジェクトとして認識することにより、ステークホルダーからの信用と信頼が得られるようになるという過去のベストプラクティスも強調した。

 加えて、地層処分を受け入れる地域コミュニティに対し、資金援助することは重要ではあるが、地元からの信頼を得るための主要な手段としてみなすべきではないと警鐘を鳴らした。成功するためには、地層処分を受け入れることによって、地域の経済発展、コミュニティ全体の福祉の向上、教育支援等につながると理解されることが重要とした。

 特に、安全性担保の要となる使用済み核燃料を収容する容器については、透明性の高い明確なコミュニケーションの重要性を説いた。コミュニケーションが不明確になれば、学者から安全性を疑問視する声があがるとの意見も出た。

【参照ページ】最終処分国際ラウンドテーブルの報告書が公開されました

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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