米証券取引委員会(SEC)は9月23日、株主総会での決議議案に付す株主提案を実施する株主の権利を大幅に制限するルール改定を賛成多数で採択した。同一提案を複数年度繰り返すことが難しくなった。
今回の決定では、まず、株主提案を行うことができる株主に条件を課した。現行ルールでは、株式を過去1年間で2,000米ドル相当以上もしくは株式を1%以上保有している株主が株主提案を実施できると定めているが、今回の改定では、過去1年間保有の場合は25,000米ドル以上、過去2年間保有の場合は15,000米ドル以上、過去3年間保有の場合は2,000米ドル以上に条件を引き上げ、株主の権利を縮小した。同規定の改定は1988年以来22年ぶり。
また同一内容の株主提案を翌年度にも再度実施する場合にも条件を設けた。現行ルールでは、株主決議で賛成が3%未満だった株主提案は、その後3年間同一の株主提案の受取を拒否できるが、改定ではこの基準を5%に引き上げた。また過去5年以内に2度もしくは3度提案されたことのある株主提案を、その後3年間受取を拒否できる得票率基準を、2度の場合は6%から15%に、3度の場合は10%から25%に各々引き上げた。同期規定の改定は1954年以来66年ぶり。
加えて、1回の株主総会に向け提出できる株主提案の回数を、これまでは1株主当たり1回だったが、1法人・個人当たり1回に変更した。これにより、カストディ等が、別の株主を代表して株主提案する場合は、同一の株主総会でも複数回株主提案が可能だったが、今回の改定で別の株主からの受託されたものでも、1法人につき1回しか株主提案ができなくなった。
今回の決定は、官報掲載後60日後に発効する。また同規定が適用される株主提案の期日については、2022年1月1日以降に開催される株主総会に対する全株主提案に対し一斉に適用。但し、2023年1月1日までに開催される株主総会については、移行措置として、過去1年間で2,000米ドル相当以上の株式を保有している場合は引き続き株主提案ができるとした。
【参照ページ】SEC Adopts Amendments to Modernize Shareholder Proposal Rule
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