国際環境NGO世界資源研究所(WRI)とクライメート・アナリティクスは9月16日、気候変動に関し、新たな調査結果を発表。世界の二酸化炭素排出量の75%を占めるG20諸国が、2030年までに1.5℃に沿った野心的な排出削減目標を設定し、2050年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にすることができれば、今世紀末の世界の気温上昇を1.7℃に抑えることができるとの見通しを示した。
両者は今回、レポート「Closing gap: The impact of G20 climate commitments on limiting global temperature rise to 1.5°C」を発行。Climate Action TrackerとNational Pathways Explorerが提供しているデータを分析し、将来の気温上昇の道筋を示した。
(出所)WRI
現時点で、パリ協定締約国から発表されている国別削減目標(NDC)と、各国での法的拘束力のあるカーボンニュートラル目標を達成すると、世界は2.4℃上昇するペース。しかし、G20諸国が、発表したもののまだ採択していない追加目標を完全に実施すれば、気温上昇は2.1℃に抑えられる可能性があるという。さらにG20諸国が率先して1.5℃目標と整合性のあるアクションをとれば、気温上昇を1.7℃に抑えることができる。その上で、発展途上国も同様のアクションをとれば1.5℃目標に到達できるとした。
G20では、アルゼンチン、カナダ、EU、英国、米国が、第2弾のNDCを提出済み。日本、南アフリカ、韓国は、今年の後半に目標を強化目標を提出する見込み。中国、インド、サウジアラビア、トルコは、第2弾のNDCのを提出する見込みが今のところない。オーストラリアとインドネシアは、第2弾で第1弾と同じ目標を提出した。ブラジルとメキシコは、第2弾での目標を引き上げるどころか、引き下げた。ロシアはさらに現状シナリオよりも悪い目標を提出している。
【参照ページ】RELEASE: New report finds ambitious action by G20 countries alone can limit warming to 1.7°C, keeping 1.5°C goal within reach
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