国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)は9月6日、プラスチック汚染問題に開始、対策を講じない限り、2040年に生産されるプラスチック汚染による社会コストは年間7.1兆米ドル(約780兆円)にまで上昇するとの試算結果を発表した。2019年のドイツ、カナダ、オーストラリアのGDP合計を上回る規模。
同レポートは、現状シナリオでは、2040年までにプラスチックの生産量は2倍にまで上昇。海に流入するプラスチック汚染では3倍の2,900万tにまで増える見込みで、海洋プラスチックの総量が6億tにまで増加する。また、プラスチックのライフサイクルから排出される二酸化炭素は、世界の全体排出量の最大20%を占め、気候変動を大幅に悪化させてしまう。試算は、スイスの開発コンサルティング大手ダルバーグが担当した。
プラスチック汚染による社会、環境、経済コストは、2019年で3.7兆米ドル(約400兆円)。このままのペースでは2040年には約2倍の7.1兆にまで上昇する。それに対し、バージンプラスチックの市場価格は、社会コストとの比較で10分の1となっており、社会コストが市場価格に適切に反映されていないと指摘した。
また同レポートは、また定量化されていない人間の健康への影響や、陸上の生態系への影響によるコストも考慮すると、さらに社会コスト試算が増加することも伝えた。
WWFは、各国政府に対し、2022年2月に開催される第5回国連環境総会(UNEA)で、海洋プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際条約の交渉を開始するよう提唱。2030年までに海洋プラスチック汚染を阻止する必要があると主張した。
【参照ページ】Societal cost of plastic produced just in 2019 revealed at US$3.7 trillion: more than the GDP of India
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