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【国際】OECD、カーボンニュートラルへのコミットを企業のESG評価で強く扱うよう提言。G20に向け

 経済協力開発機構(OECD)は10月4日、気候変動トランジションとESGアプローチを整合させるハイレベル・ラウンドテーブルを開催。その中で、トランジションとESG評価に関する2つのレポートを発表した。10月末に開催されるG20サミットに先駆けて、OECDとしての提言を発信した形となった。

 1つ目のレポートは、「Financial markets and climate transition: Opportunities, challenges and policy implications」。座礁資産や生産プロセス、再生可能エネルギーへの移行戦略等、気候変動のリスクと機会を市場のプライシング(価格設定)に織り込むために考慮すべき重要な論点を分析。同時に、気候ファイナンスの拡大とESGアプローチの整合性を課題として取り上げた。その上で、企業に長期的なインセンティブを付与するための政策オプションを提示した。

 具体的には、中央銀行や金融当局、証券取引所が、ESGデータの特に気候変動の関する機会とリースのデータの質向上に向け、市場に向けたガイダンスを発行することや、ESGデータを提供する評価機関の透明性を高めていく政策が必要とした。

 同様に、気候変動型の投資インデックス、投資ファンド、投資商品での外部保証メカニズムも重要とし、プライシングを左右する金融商品ラベリングの透明性向上も提言した。

 また、気候変動トランジションを促進し、2℃シナリオを達成するため、中央銀行や金融当局、証券取引所が、企業に対し、トランジション目標を設定するために活用したシナリオの開示や、科学的根拠に基づく目標の達成年度の開示をした上で、企業の目標が科学的根拠に基づいているか否かは、第三者が評価する慣行を浸透させるべきとした。

 2つ目のレポート「ESG Investing and Climate Transition: Market Practices, Issues and Policy Considerations」は、G20の「サステナブルファイナンス・ワーキンググループ」に対して、特別に用意されたレポート。こちらは、1つ目のレポートよりも、さらにESG投資にフォーカスを当て、課題と方向性を提言した。

 課題に関しては、同じく、ESGデータの質向上とESG評価の透明性の向上、ESG評価と低炭素トランジションの整合性の強化、気候変動の機会とリスクの情報を考慮したプライシング(価格設定)実現の促進、の3つを挙げた。

 方向性としては、ESGデータでの企業間の比較可能性を高めた上で、気候変動トランジションをESGのE評価の中に強く組み込むべきとの提言を示した。これにより、気候変動の2℃もくしくは1.5℃目標に向けたカーボンニュートラルへのコミットメントが、企業のESG評価の中でさらに強く扱われるようになっていきそうだ。

【参照ページ】High-Level Roundtable on Strengthening ESG approaches and market alignment to foster climate transition
【参照ページ】Financial markets and climate transition: Opportunities, challenges and policy implications
【参照ページ】ESG Investing and Climate Transition

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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