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【国際】GSMA、サーキュラーエコノミー化戦略発表。ネットワーク機器で9個の重要提言

 国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は3月1日、ネットワーク機器のサーキュラーエコノミー化戦略を発表した。

 今回の発表は、通信エコシステムで使用されるネットワーク機器を、どのようにサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルへと進化させることができるかを分析している。そのためには、「廃棄物」に対する認識を変えることから始め、バリューチェーン全体におけるステークホルダーとの協力が必要であるとした。

 GSMAの調査では、モバイル接続によって、建築、エネルギー、輸送、製造という4つの主要分野で2030年までに必要な炭素削減の最大40%を実現できるとしている。これは、英環境シンクタンクNGOカーボントラストのモデリングに基づいた調査であり、2021年11月の第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で発表された。

 しかし、コネクテッドサービスが増加することで、環境負荷が増加するリスクがある。モバイル基地局、固定アクセス機器、IPデータ通信やコアネットワーク機器など、毎年少なくとも800キロトンのネットワーク機器が販売されていると推定されている。

 今回の発表では、まず、ネットワーク機器の拡張や交換を検討する際に、サーキュラーエコノミー化を適用するためのフレームワークが示された。

 商品に対して取り得る行動のうち、良い行動が上部、悪い行動が下部に示される。最上位に位置する行動は「RETHINK」(再考)。環境負荷が最も低い行動であり、最も推奨される手段である。最下部に位置する行動は「REFUSE」(廃棄)。上位の選択肢を検討した後の最後の手段としてのみ使用されるべきものとした。

(出所)GSMA

 次に、現在の課題となる4つのテーマが示された。

 1つ目は、製品・部品の製造や原材料の採掘による環境への影響を低減すること。ネットワーク機器の新製品を世界中で製造、出荷、配送するための組織に最適化されており、正しくリサイクルされるものは約2割しかないと推定されている。

(出所)GSMA

 ネットワーク機器には、金やコバルトなど希少価値の高い鉱物を使用した部品が含まれているため、廃棄物からそれらを回収し、利用することができる。自動車産業など他の産業が現在行っているように、イノベーションを起こし、代替のビジネスモデルを検討する必要があるとした。

 2つ目は、既存のネットワーク機器の調達、再利用、用途転換再利用を最適化すること。現状、ネットワーク機器のグローバルかつ大きな中古市場は存在せず、回収された製品の8割は再利用されない。ネットワーク機器に対して減価償却の仕組みがないこと、製品特定のための共通のデータベースと番号がないこと、新製品を売ることを前提としたビジネスモデルなどを課題として指摘した。

 3つ目は、比較可能な評価方法の導入により、ネットワーク機器の環境への影響を可視化すること。環境影響を評価するための手法は存在するが、業界内で基準が揃っていないことを指摘した。ライフサイクルアセスメント(LCA)、サーキュラーエコノミーのパフォーマンススコア、ESGスコア、その他の技術的な指標、財務KPIに対して、新規手法の開発を含めて業界内で足並みを揃える必要性を訴えた。

 4つ目は、ネットワーク機器のサプライチェーン設計においてサーキュラーエコノミー型へのシフトを加速させること。既存の商習慣が阻害要因であることを指摘。通常5年の利用想定での製品設計、保守・サポートコストの削減、中古品ユーザーによるサイバーセキュリティリスクの回避のため新製品を提案することなどを挙げた。また、WEEE司令など現在のリサイクル規制は、原材料を回収して生産するリサイクルパートナーに対してのインセンティブがないことも課題だとした。

【参考】WEEE指令

 最後に、サーキュラーエコノミー化のための今後の方向性として9つの重要な提言が示された。

  1. 現在の機器をより長く現役で使用する
  2. ネットワークインフラの共有化
  3. 業界全体でサーキュラーエコノミーに対する意識を高める
  4. ビジネス提案において、新品と同様にリファービッシュ(再製造)製品を考慮すること
  5. 共通のKPI指標とガイドラインを作成する
  6. 再利用を支援するためのビジネス関係の見直し
  7. サーキュラーエコノミーを支援する規制・エコシステムの改善
  8. マーケットプレイスの創設と相互接続
  9. ネットワーク機器におけるエネルギー効率の優先順位の確保

 今後はネットワーク機器だけではなく、モバイル端末のサーキュラーエコノミー化の戦略についても検討していく予定。

 今回のGSMA戦略の発表後、スペイン通信大手テレフォニカは3月22日、同戦略に整合させた2030年までに廃棄物ゼロを達成する目標を早速表明している。

【参考】【スペイン】テレフォニカ、2030年廃棄物ゼロ達成目標発表。サーキュラーエコノミー化加速

【参照ページ】Strategy Paper for Circular Economy: Network Equipment

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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