持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は5月11日、サーキュラーエコノミー度の測定指標ガイドライン「サーキュラー・トランジション指標(CTI)」の第3.0版を発行した。2.0版は2021年2月に発行され、約1年ぶりの改訂となった。
【参考】【国際】WBCSD、サーキュラー・トランジション指標(CTI)2.0版発行。サーキュラーエコノミーの国際算定ガイドライン(2021年2月10日)
同測定ガイドラインは、企業がサーキュラーエコノミーの実現度を測るための用語の定義や計算式を提示している任意の国際ガイドライン。策定は、WBCSDのCTI開発チームとアドバイザリー・グループが担当しており、グローバル企業30社以上が参画している。
今回の3.0版の策定企業は、アルセロール・ミタル、シェル、サウジアラビア基礎公社(SABIC)、タイ石油公社(PTT)、サイアム・セメント・グループ、ダウ、ソルベイ、バイエル、アクゾノーベル、DSM、ストラエンソ、ラファージュホルシム、エボニック、Allnex、CHEP、CRH、アプター、アルチェリッキ、Greif、ダノン、IFF、グラクソ・スミスクライン(GSK)、ノバルティス、メルセデス・ベンツ、本田技研工業、フィリップス、インターナショナル・ペーパー、ランクセス、マイクロソフト、セキュリティ・マターズ、シーカ、Sims Metal Management、スエズ、ヴェオリア、ラボバンク、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、KPMG、PwC、CircularIQ、NSが参画した。
また3.0版のアドバイザリー・グループには、エレン・マッカーサー財団、GRI、CircleEconomy、CIRAIG、Cradle to Cradle Products Innovation Institute、MVO、PACE、SITRAが入っている。
同ガイドラインは、1.0版で、マテリアルフローに基づいたサーキュラリティパフォーマンスの算定式を定義。また資源効率を示す「クリティカルマテリアル」の算定式や、回収タイプごとの算定式も定義している。また経済性指標として「リニアインフローに対する売上比」も提示し、資源投入量と経済活動を「アンバンドル」させる効率性の算出も促している。その上で、バウンダリーや時間軸等についても考え方を示した。
2.0版では、水資源のサーキュラーエコノミー化に関する算定式、バイオエコノミーでのガイダンスをするとともに、投資家からの需要の高かったサーキュラーエコノミー事業での売上の算定式も定義した。
今回の3.0版では、リサイクル調達が温室効果ガス(GHG)排出削減に与える影響を測定するための新たな方法論を確立。また、ライフタイム延長戦略に関する2つの新指標も追加した。企業の意思決定と行動の優先順位付けを支援するガイダンスも盛り込まれた。
【参照ページ】The linear economy is reaching the end of the line: business must adopt circularity to stay competitive
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