農薬・化学肥料世界大手米コルテバ・アグリサイエンスと米ソフトウェア開発MSテクノロジーズは6月29日、線虫抵抗性大豆(NRS)形質を持つ次世代大豆「Enlist E3」の開発に向け、化学世界大手独BASFとライセンス契約を締結したと発表した。
Enlist E3は、コルテバ・アグリサイエンスの前身ダウ・アグロサイエンスと、MSテクノロジーズで共同開発した遺伝子組換え作物(GMO)で、2019年に商品化された。今回3社は、NRS形質とEnlistのライセンスを相互に供与し、米国及びカナダの農家向けにNRS形質を付与したEnlist E3の開発を進める。規制当局と審査と圃場試験を経て、2020年代後半に商品化予定。
今回の契約では、コルテバとMSテクノロジーズは、Enlist E3の大豆形質をBASFにライセンス供与し、BASFのNRS形質と組み合わせることを検討。BASFも2社に対し、Enlist E3にNRS形質転換体をライセンス供与する。
北米では、ダイズシストセンチュウ(SCN)による虫害がよく見られ、年間10億米ドル(約1,353億円)規模の経済損失をもたらしている。BASFが保有するNRS形質は、ダイズシストセンチュウ(SCN)を含む大豆の線虫に対し、業界標準のSCN抵抗性形質を上回る保護力を発揮すると期待されている。
またEnlist E3は、除草剤の2,4-Dコリン、グリホサート、グルホシネートに耐性があり、Enlist除草システムと組み合わせることで、農家の抵抗性雑草や防除が困難な雑草の管理を支援できるとしている。
Enlist E3は、アジア各国で流通申請が出されているが、GMO忌避の潮流から承認取得が順調に進んでいない。
【参照ページ】Corteva, BASF and MS Technologies Sign Agreement to Bring Industry-1st Soybean Trait Stack to Market
【画像】Corteva
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