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【イギリス】M&S、生鮮食品で賞味期限の表示廃止。青果物80%以上対象、食品ロス削減

 英小売大手マークス&スペンサーは7月17日、店頭及び家庭での食品ロス削減に向け、生鮮食品での賞味期限(Best before)の表示を廃止すると発表した。同社が取り扱う青果物の85%に相当する300品目以上が対象。消費者自身での判断を促し、食品廃棄物の削減を狙う。

 賞味期限(Best before)とは、品質の保持が十分に可能であると認められる期限のこと。一方、消費期限(Use by)は、それを過ぎれば安全リスクがあることを指す期限。加工食品に対しては、国際規格「Codex」で賞味期限または消費期限の表示が義務付けられているが、肉や魚介類を除く生鮮食品には、基本的に表示義務はない。

 今回、マークス&スペンサーは、英国内の全店舗を対象に、従来付与してきた賞味期限表示を廃止。従業員が鮮度を判断できるよう独自のコードを付与する。同社は、サステナビリティ戦略「プランA」で、2030年までに食品廃棄の半減、2025年までに余剰食品の100%再分配を目標として掲げており、今回のアクションもその一環。

 英サーキュラーエコノミー推進NGOのWRAP(Waste & Resources Action Programme)の調査によると、英国の家庭での食品廃棄は年間660万t。マークス&スペンサーはこれまで、チャリティへの寄付や売れ残り商品の廉価販売等で食品廃棄削減を進めてきた。

 同社は2015年から、余剰食品配給のチャリティであるNeighbourlyと協働。慈善団体へ4,400万食以上を寄付してきた。また、売れ残りの完熟バナナ3本とレシピを詰めたバッグ「Go Bananas」の低価格販売や、売れ残りのベーカリー商品を活用した冷凍ガーリックブレッドの販売も実施。さらに同社の消費者啓発プログラム「Sparking Change National Challenge」を通じ、レシピや一括調理、食品を長持ちさせる保存方法等に関する専門家のアドバイスも提供してきた。

 英国では、小売大手モリソンズやCo-opでも、消費期限の表示を一部商品で廃止し、賞味期限の表示に切り替えるところが増えている。背景には、消費期限そのものは、最終的に消費者自身に判断してもらい、食べられるのに捨てられてしまう行為を減らす考え。

 今回の小売大手のアクションに対しては、昨今の食品価格高騰との関連性を指摘する声もある。店頭での食品廃棄物を削減することで、廃棄コストを削減する狙いがある模様。

【参照ページ】M&S REMOVES BEST BEFORE DATES ACROSS FRUIT AND VEG IN BID TO TACKLE FOOD WASTE
【画像】Marks&Spencer

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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