中国国家エネルギー局は、2021年末時点の洋上風力発電の累積設備容量数を発表。26.38GWに達し、英国を抜いて世界一となったことがわかった。さらに中国は現在、着床式だけでなく浮体式の開発や建設を急ピッチで進めており、さらに設備容量を大きく伸ばす見込み。
中国の洋上風力発電の新規設備容量は16.9GW。前年比452.3%増という驚異的な数値を記録した。中国では第13次5カ年計画で洋上風力発電を戦略分野の一つとして重視。現在の試算では、中国の18,000kmもの海岸線では、水深5mから25mで設備容量ポテンシャルが約200GW、水深5mから50mで同500GWのあるという。さらに、潮力発電や波力発電、浮体式洋上風力も含めると膨大なポテンシャルがある模様。
中国では今後、さらにコスト削減を進める考え。また、台風等の暴風雨にも耐えられる技術水準には課題も多く、これらの技術開発も急速に進める。その上で、AI、ブロックチェーン、5G等のデジタル技術も組み合わせていく。浮体式洋上風力発電でも、2021年に中国広東省で、台風に強い発電機の実証が始まっている。
これに対し、米バイデン大統領は9月15日、すでに発表している2030年までに洋上風力発電30GWの政策を確実に進めるための政策を発表。その中で、浮体式洋上風力発電が適した海域は、洋上風力発電全体の3分の2を占めると表明。洋上風力発電で世界をリードすると宣言した。
今回の発表では、エネルギー省(DOE)、内務省(DOI)、商務省、運輸省が主導する洋上風力発電機開発に特化した政策「フローティング・オフショア・ウインドショット」を創設。2035年までに浮体式技術コストを70%以上削減し、1MW当たり45米ドルを目指す目標を示した。インフラ投資・雇用法の連邦政府予算からも、5,000万米ドルを用意し、研究開発への補助金も新たに始める。
さらに、2030年まで30GWの目標を実現するため、浮体式洋上風力発電を2035年までに15GW開発する目標も発表。深海のリース区域を拡大する。その中で、生物多様性保全等の環境サステナビリティ、海洋の共同利用、経済的支援が必要な地域への経済メリットの追求等の観点も盛り込む。
【参照ページ】2021年中国海洋经济统计公报
【参照ページ】海上风电发展成效显现 技术创新能力有待补强
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces New Actions to Expand U.S. Offshore Wind Energy
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