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【ドイツ】RWEと政府、石炭火力の2030年全廃で合意。8年前倒し。再エネ投資を加速

 独電力大手RWEは10月4日、同社の褐炭を活用した石炭火力発電所を2030年までに全廃することで、ドイツ連邦経済・気候保護省及びノルトライン・ヴェストファーレン州経済・産業・気候変動・エネルギー省と合意したと発表した。当初予定から8年前倒した。RWEは人員削減も始める。

 今回の発表では、ドイツ石炭段階的削減法に基づき、合計で1.2GWの褐炭火力発電所のノイラートD発電所とノイラートE発電所は2022年末に送電網から切り離され廃炉になる予定だったが、足元のエネルギー危機に備えるため、2024年3月31日まで廃炉を延長。ドイツ政府は2023年末までに、耐用年数を延長し稼働を続けるか、予備電源扱いにするかを最終決定する。いずれの場合でも2025年3月31日以降は廃止となる。同決定による同社への追加補償は実施しない。

 ドイツ政府は、2030年までに褐炭火力発電所を全廃する方針。但し、それまでのエネルギー危機に備えるため、国内で最後まで残る予定の褐炭火力発電所(合計3.6GW)に関しては、廃炉を2033年末まで廃炉を延期するかどうかを2026年までに決定することになっている。また仮に2033年まで廃炉を延期し、予備電源として温存した場合にも、露天掘りの石炭採掘が不要になる計算。その結果、約2.8億tの石炭が未採掘のまま地中に残り、約2.8億tの二酸化炭素排出が回避されるという。ガルツヴァイラー露天掘り炭鉱で生産される褐炭の量も、およそ半分に減少。当初ガルツヴァイラーで計画されていた第3次移住計画も廃止となった。但し、リュッツァーラト炭鉱に関しては、足元のエネルギー危機対策のため、すでに開発のための行政許認可と裁判所の決定が下されている。

 また同社は、ドイツの脱石炭の実現には、2030年までに再生可能エネルギーへの大規模転換や水素ガスを燃料とするガス火力発電所の整備等が必要と発表。同社では2030年までに世界全体でグリーン事業拡大に500億ユーロ(約7.2兆円)を投資し、そのうち150億ユーロ(約2.1兆円)はドイツに割り当てるとした。ノルトライン・ヴェストファーレン州政府は、再生可能エネルギー発電での設備容量を1GWまで拡大する目標を掲げており、露天掘りの採掘場だったレニッシュ採掘地域での発電所建設を進めている。

 雇用転換では、早期退職が困難な若手社員には、社内他部門や他社での雇用機会を案内する他、幅広い資格取得と再教育のための施策を展開する。同社は、ドイツ政府が調整手当の制度を整備する意向であることも歓迎するとした。

【参照ページ】Agreement on coal phase-out 2030 and strengthening security of supply in the energy crisis
【画像】RWE

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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