保険世界大手仏アクサは10月24日、2022年版将来リスクレポートを公表。気候変動は、2021年に引き続き最大の懸念として挙がっただけでなく、調査開始から初めて世界全地域の専門家から「最大懸念事項」と評されたと警鐘を鳴らした。
【参考】【国際】アクサ、2021年版将来リスクレポート公表。気候変動とサイバーセキュリティが最大(2021年10月7日)
同レポートの作成では、アクサは総合リサーチ大手イプソスおよび地政学的リスク分析大手ユーラシア・グループと協働。専門家と一般個人で合計約2.5万人を対象に調査を行い、リスク測定と格付け評価を行った。
気候変動リスクは、2018年、2019年、2021年、2022年で世界ランキングで首位。これまでは、欧州での認識が最も顕著である一方、米国ではサイバーセキュリティリスク、アジア、中東、アフリカ地域では、新型コロナウイルス・パンデミックが最大の懸念事項として挙がっていたが、今回初めて全地域で気候変動が首位となった。
また今回の調査では、地政学的リスクが、サイバーセキュリティリスクや新型コロナウイルス・パンデミックを押さえ、2位に浮上。専門家の95%が、地政学的緊張が継続し、世界中に広がると懸念していると回答した。間接的な影響として、エネルギー関連リスクも2021年の17位から4位にまで高まっている。
さらに同レポートでは、経済リスクの高まりが社会的緊張を煽っているとも指摘。「金融不安」「マクロ経済の悪化」「金融・財政ストレス」が初めてトップ10にランクインしたており、専門家及び一般個人の双方に重要な関心事となっているとした。
一般個人の回答としては、脆弱性に対する感覚が非常に高い水準にあると分析。回答者の80%が5年前よりも脆弱性が増加したと考えており、気候変動やエネルギー危機等、特定のリスクについては、さらに懸念が増加する傾向にある。加えて、公的機関や企業、科学者等、特定分野の意思決定者に対する信用度は、いずれも悪化。各リスクへの対応レベルが不十分であることが原因と分析した。
【参照ページ】AXA Future Risks Report 2022: Climate change is becoming the number one concern around the world
【レポート】AXA Future Risks Report 2022
【画像】AXA
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