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【アメリカ】政府、途上国でのカーボンクレジット創出支援。民間資金導入。販売先にも条件

 米ジョン・ケリー気候変動担当大統領特使、ロックフェラー財団、ベゾス地球基金は11月9日、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)の場で、発展途上国でのクリーンエネルギーへの移行を加速させるために民間資本を活用することを目的とした「エネルギー移行アクセラレータ(ETA)」の設立で提携すると発表した。活動期間は当面は2030年まで、場合によっては2035年まで延長する可能性もある。

 ETAの目標は、発展途上国のエネルギーを化石燃料からクリーンエネルギーに転換することを支援するため、統合性の高いフレームワークを確立すること。国や州等の広域自治体の単位で区域を認定。認定された区域では、再生可能エネルギーの導入による排出削減量を事前に算出して検証し、創出したカーボンクレジットの事前購入権を固定価格で販売できるようにする。創出するカーボンクレジットは、カーボンリーケージやアディショナリティの要件も規定し、高い質を担保する。これにより、カーボンクレジット創出プロジェクトに民間資金を動員する。

 創出したカーボンニュートラルの販売先についても、2050年までのカーボンニュートラルを科学的根拠に基づく削減目標を設定した企業にのみ販売することも検討中。科学的根拠に基づく削減量以上の削減を目的とする場合に使徒を限定する等、それ以外の透明性等の規定についても今後整備していく考え。短期的なスコープ3のオフセット用に活用する場合についても、他のクレジットを追加で購入すること等のスケール拡張の条件を課すことも検討している。

 今回のカーボンクレジットの活用方法は、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)のネットゼロ・スタンダードの基準と一部整合しない側面もある。今回、米国政府は、SBTi、カーボンオフセット市場のルール策定イニシアチブVCMI、ボランタリークレジット基準策定ICVCM、世界資源研究所(WRI)と協議し、整合性を模索すると宣言した。

【参考】【国際】SBTi、事業会社向けカーボンニュートラル目標認定「ネットゼロ・スタンダード」発表。早速7社承認(2021年10月28日)
【参考】【国際】カーボンオフセット市場のルール策定イニシアチブVCMI、発足。複数国政府が支持表明(2021年8月4日)
【参考】【国際】ボランタリークレジット基準策定ICVCM、コア原則と評価フレームワークの最終化へ(2022年10月11日)

 EATでは、創出したカーボンクレジットの売上の5%分野、発展途上国の気候変動適応及びレジリエンスのプロジェクトに充当する計画も披露した。

 EATの構想には、すでにチリやナイジェリア等の発展途上国が関心を示しているという。また、バンク・オブ・アメリカ、マイクロソフト、ペプシコ、スタンダードチャータードも参画を検討している模様で、詳細設計が完了してから、最終判断になるという。米国以外の政府の参加の募る予定。
 
 また米政府では別途同日、米国際開発金融公社(DFC)が、2022年度予算中に気候変動関連プロジェクトに23億米ドル(約3,400億円)以上を投資することも発表。クリーンエネルギー分野を優先して支援することも伝えた。早速同日、エジプトでのグリーン水素プロジェクトの投資精査の開始契約にも調印した。

【参照ページ】U.S. Government and Foundations Announce New Public-Private Effort to Unlock Finance to Accelerate the Energy Transition
【参照ページ】DFC Delivers on U.S. Climate Finance with More Than $2.3 Billion Committed for Climate-Linked Projects in FY 2022

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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