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【アメリカ】バンガード、NZAM脱退。インデックスファンドとしての対応に苦慮

 投資運用世界大手米ヴァンガードは12月7日、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする運用会社のイニシアチブ「Net Zero Asset Managers(NZAM)」からの脱退を発表した。同社は2021年に加盟していた。

【参考】【国際】Net-Zero Asset Managers、43社が中間目標設定完了。加盟は220に伸長(2021年11月16日)

 同社は今回、「気候変動と現在進行中の世界的な対応は、企業、金融市場、投資家に広範囲な経済的影響を及ぼし、重要かつ多面的な財務リスクの明確な例を示している」とし、気候変動は財務リスクとなるとの見解は維持。一方、脱退の背景について、幅広い分散投資で最適な投資リターンをあげる現代ポートフォリオ理論との整合性で苦慮している点をあげた。実際に、「かなりの期間検討した結果、インデックスファンドの役割や気候関連リスクを含む重要なリスクに対する我々の考え方について、投資家が望む明確さを提供できるように、また、我々の投資家にとって重要な事柄についてバンガードが独自に発言していることを明確にするために、NZAMから撤退することを決定した」と説明した。

 また同社は、NZAMからの脱退後も、「気候変動が投資家の長期的リターンにもたらしうるリスクに対策するという当社のコミットメントに影響を与えるものではない」と言及。企業へのエンゲージメントも継続する姿勢を示した。また、気候変動リスクに関する同社の報告も継続するとした。

 同社は、外部イニシアチブへの参加と、ミッションや投資哲学との整合性を継続的に評価しており、今回もその一環と説明した。インデックス投資運用会社として急成長したバンガードは、気候変動リスク対策ではダイベストメントではなくエンゲージメントを軸としていたが、NZAMは投資ポートフォリオでのカーボンフットプリント削減への姿勢を強めており、バンガードはエンゲージメントという一本足打法での削減が迫られていた。

 他方で同社は、11月には、ナインティ・ワン・ノース・アメリカが運用するアクティブファンドを活用したファンド「バンガード・グローバル・エンバイロメンタル・オポチュニティ・ストック・ファンド」を設定し、アクティブファンドでの気候ファンドも強化している。

 運用資産の多い同社のNZAM脱退を受け、NZAM機関の運用資産総額は減少する。今後、Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)を含めアセットオーナー側や同社に対する反応や、同様にインデックス投資運用会社として急成長したブラックロックの反応に注目が集まる。

【参照ページ】An update on Vanguard’s engagement with the Net Zero Asset Managers initiative (NZAM)
【参照ページ】Vanguard Environmental Fund Now Available for Investment

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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