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【日本】金融庁、金商法監督指針でESG投信ルールを最終決定。即日適用開始。ウォッシュ防止

 金融庁は3月31日、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正を発表した。同日に適用を開始した。2022年12月に原案を発表し、パブリックコメントを募集していた。最終決定した指針は、ほぼ原案のままだが、一部曖昧だった部分を修正した。

【参考】【日本】金融庁、ESG公募投信でESGウォッシュ防止監督指針案公表。パブコメ募集(2022年12月20日)

 今回の改正は、投信でのESGウォッシュやグリーンウォッシュの防止がねらい。監督指針に「ESG投信に関する留意事項」を追加した。同規制の対象はESG公募投信のみ。ESG投信と認められるためには、ESGを投資対象選定の主要な要素とし、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」にその旨を記載していることが必要。そうでない公募投資信託は、「ESG」「SDGs」「グリーン」「脱炭素」「インパクト」「サステナブル」等のESG関連用語を使うことが禁止される。同改正前に設定された投信については、ESG投信に該当しない場合には、交付目論見書にその旨を明記することが必須となる。ESGが「主要な要素」か否かは、ファンドの構成比率やESG投資手法に関する一律の基準はなく、各社の判断との考えを明確にした。

 さらに、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」等のESGに関する記載が、当該公募投資信託がESG投信であると投資家に誤認されるような誇張した説明となっていないかもチェック対象となる。2023年3月末までに設定され、ESG関連用語の名称や愛称をつけている投信については、交付目論見書の中でESG投信ではない旨を明記することも義務付ける。

 次に、投資戦略でのウォッシュを防ぐため、ESG投信の交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に記載するを義務付ける内容も定めた。

  • ESGの総合評価又は環境や社会の特定課題等、投資対象選定の主要な要素となるESGの具体的内容
  • 主要な要素となるESGの運用プロセスにおける勘案方法(関連する基準や指標、評価方法等の説明を含む)
  • 主要な要素となるESGを運用プロセスにおいて勘案する際の制約要因やリスク
  • 持続可能な社会の構築に向けて、環境や社会のインパクト創出を目的としているESG投信について、その目的、インパクトの内容、及び目標とする指標・数値、方法論などインパクトの評価・達成方法
  • 投資信託委託会社として、ESGを主要な要素とする投資戦略に関連する個別の公募投資信託固有の方針又は全社的なスチュワードシップ方針がある場合には、当該方針の内容
  • 上記について、さらに詳細をウェブサイト等で開示する場合には、その参照先

 そして、ポートフォリオ構成でも要件を設ける。具体的には、ESG投信の純資産額のうち、ESGを主要な要素として選定する投資対象への投資(時価ベース)を目標や目安としている場合や、ESG投信の投資戦略において主要な要素となるESGの評価指標について目標や目安を設定している場合には、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に、当該比率やその他の計数の記載を義務化。また目標や目安を設定していない場合には設定していない理由の記載を義務付ける。

 特定のESGインデックス指数への連動を目指す場合、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に、参照インデックスのESG勘案方法や当該ESG指数を選定した理由も記載しなければならない。

 公募投資信託の運用プロセスにおいて第三者が提供するESG評価を利用する場合や自社のESG評価に第三者が提供するデータを利用する場合には、ESG評価・データ提供機関の組織体制や評価の対象、手法、制約及び目的を理解する等、適切なデューデリジェンスが義務付けられるが、開示要件は課さなかった。

 ESG投信の運用を外部に委託する場合には、外部委託先に対する適切なデューデリジェンスや運用状況の確認を行い、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」や交付運用報告書に、委託先が今回設定された義務の遵守を確認し、開示が困難な場合には、その理由を説明しなければならない。

 定期開示を行うESG投信の交付運用報告書や上場投資信託での適時開示書類と、交付目論見書の「運用実績」にも記載内容を義務付ける。

  • 純資産額のうち、ESGを主要な要素として選定した投資対象への投資額(時価ベース)の比率について、目標や目安を設定している場合には、実際の投資比率
  • 投資対象の選定において主要な要素となるESGのポートフォリオ全体の評価指標の達成状況について、目標や目安を設定している場合には、その達成状況
  • 持続可能な社会の構築に向けて、環境や社会のインパクト創出を目的としているESG投信について、インパクトの達成状況
  • 投資信託委託会社として、ESGを主要な要素とする投資戦略に関連するスチュワードシップ方針がある場合、当該方針に沿って実施した行動
  • 上記について、さらに詳細をウェブサイト等で開示する場合には、その参照先

 ESG公募投信の運用会社には、組織体制の状況もチェックされる。具体的には、ESGに関連するデータやITインフラの整備、人材の確保等、ESG投信の投資戦略に沿った運用を適切に実施し、実施状況を継続的にモニタリングするためのリソース確保の状況。さらに、ESG投信の運用を外部委託する場合には、外部委託先での組織体制に関するデューデリジェンス体制の整備状況がチェックされる。ESG評価・データ提供機関のデータを利用する場合にも、ESG評価・データ提供機関の組織体制や評価の対象、手法、制約及び目的を理解する等、デューデリジェンスの実施も求められる。

【参照ページ】ESG投信に関する「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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