国連グローバル・コンパクト(UNGC)は5月1日、新たな生活賃金分析ツール(Living Wage Analysis Tool)を発表した。サプライチェーン労働者の生活賃金確保は人権遵守の一環。同ツールで人権遵守を後押しする。
同ツールは、UNGCの「生活賃金に関するシンク・ラボ」を通じ、参画企業・団体が開発したもの。実際の企業の実践や国際基準・指標に基づいた設問に回答することで、自己分析が可能となっている。グッドプラクティス情報も得られる。
生活賃金と最低賃金は異なる概念。生活賃金は、実際生活する上で最低限必要な賃金水準のこと。一方、最低賃金は、法定の最低賃金を指すが、実際には最低賃金の水準が、生活賃金の水準より低く設定されていることも少なくない。そのため企業には、サプライチェーン全体で、最低賃金ではなく、生活賃金の確保が求められている。
国際労働機関(ILO)によると、2019年には、世界の労働者の約20%が、生活賃金が確保できていない。UNGCのサンダ・オジアンボCEO兼エグゼクティブ・ディレクターは今回、「生活賃金の支払いを確保することは、しばしばコストとみなされるが、企業にとって多くの利益をもたらすことができ、投資とみなされるべき」とコメントしている。
UNGCは目下、民間セクターが生活賃金の設定で重要なプレーヤーであり、企業に具体的で説明可能な行動を取らせることによって、国連持続可能な開発目標(SDGs)の、目標1:貧困ゼロ、目標8:ディーセント・ワークと経済成長、目標5:ジェンダー平等、目標10:不平等の縮小等を達成しようとしている。
【参照ページ】UN Global Compact launches Living Wage Analysis Tool
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