Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【国際】APECビジネス諮問委員会、気候変動とAIで特別声明。APEC首脳に対策強化要請

 アジア太平洋経済協力(APEC)に設置されているAPECビジネス諮問委員会(ABAC)のドミニク・ウン委員長は11月14日、米サンフランシスコでのイベントにスピーチを実施。同地で開催されているAPEC首脳会議やAPEC最高経営責任者(CEO)サミットの中で、APEC地域のビジネスリーダーが差し迫った課題の克服のために協力する必要があると訴えた。

 ドミニク・ウン委員長は、米カリフォルニア州に本社を置く華僑系銀行イースト・ウェスト銀行のCEOを務めている。同氏は今回、「2023年のテーマは『公平性(エクイティ)』『サステナビリティ』『機会』の3つとした。世界情勢は引き続き大きく変化しており、ビジネスのレジリエンスや、地域コミュニティの生活水準を向上させ、持続可能な未来を築くためのアクションが重要と表明した。

 ABACはすでに、サプライチェーン・レジリエンス・ツールキット、持続可能なサプライチェーンのための中小企業向けESGフレームワーク、信頼構築のためのサイバーセキュリティ・ツールキット等、実践的なガイダンスも多数発行してきている。

 さらに今回、気候変動とAIに関しては個別の声明を発表。気候変動については、ABACは2021年に緩和、適応、公正な移行(ジャスト・トランジション)の3つを原則とする「ビジネスのための気候リーダーシップ原則」を合意したことを再確認し、APEC加盟国首脳に対し5つのコミットメントを要求した。

  • 非効率な化石燃料補助金や、農業を含むその他の環境有害補助金の速やかに廃止し、排出削減を加速する
  • 地域における公正な移行のための協調的で強化された資金調達を促進する
  • 公正で野心的、現実的かつ持続可能なエネルギー転換を確保する
  • 貿易が気候変動への対応に果たす重要な役割を認識し、グリーン保護主義を回避しつつ、排出削減を加速し、迅速な適応のためのインセンティブを生み出し、回復力を 構築し、すべての人に機会を創出するために、貿易手段(環境財・サービス、再生可能エネルギーへの貿易・投資を含む)を活用する。
  • 持続可能で低炭素な経済要件を満たすために変革する産業界のニーズに沿って、 労働力におけるグリーンスキルを開発する

 AIに関しては、国連持続可能な開発目標(SDGs)に向け、AIが果たすことのできる貢献が大きいことと認識。その上で、AI技術の信頼と利用を促進するためには、同意、倫理、二重利用、透明性に関する問題に対処しなければならず、特に、合成コンテンツによる誤報や偽情報、学習データや説明可能性におけるバイアスの永続化、知的財産権への挑戦、労働市場への影響、プライバシー、セキュリティ、監視の課題を挙げた。またデジタル・デバイドによる社会格差の拡大を防止することも重要とした。

 その上で、ABACとしても、米国、中国、ASEAN、G7、英国、国連等が進めている枠組み策定に積極的に関与していく意思をみせた。APECに対しては、APECの年間カレンダーにデジタル技術・AI開発担当相会合を含めることを提唱した。同閣僚会議に、ABACのデジタル・イノベーション作業部会が招集するAI開発と準備に関する専門家ラウンドテーブルを関与させることも求めた。

【参照ページ】Business Leaders: Embrace Collaboration to Tackle Global Challenges in Equity, Sustainability and Trade

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。