アサヒグループホールディングス傘下のアサヒバイオサイクルと双葉三共は12月26日、ビール酵母細胞壁由来の肥料原料を添加し、窒素含有量を高めた汚泥肥料「sUXウルトラエックス」を共同開発したと発表した。2024年1月から双葉三共が販売を開始。将来的には、アサヒグループの工場から排出される食品残渣の一部活用も目指す。
汚泥肥料とは、下水処理場の水処理工程で発生した汚泥や、工場等の廃水処理施設から生じた汚泥、食品工場から排出される食品残渣を混合し、発酵、堆肥化したもの。下水汚泥の中には、植物の成長に必要な窒素やリン等の栄養分、ミネラル分が豊富に含まれており、肥料として有益なため、日本政府も普及を推進している。
両社は今回、汚泥肥料にビール酵母細胞壁を添加することで、肥料成分の増加が可能との仮説のもと、堆肥としての有用性を検証。窒素含有量(湿重量)が従来製品の4.77%から6.36%に増加することが確認された。ビール酵母細胞壁には発酵を促進させる働きがあるため、有用菌を増やすことができ、窒素含有量も増加したと推定した。
近年、世界的な穀物需要の増加、エネルギー価格の上昇に加え、ロシア・ウクライナ問題に端を発した原料の輸入規制等の影響により、化学肥料原料の国際価格が高騰している。今回のアクションは、こうした動きへの対応の一環。農林水産省のみどりの食料システム戦略の肥料削減目標達成にも寄与していく。
【参照ページ】「ビール酵母細胞壁」由来資材を添加し、窒素含有量を高めた汚泥肥料を開発
【画像】アサヒグループホールディングス
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