
国連食糧農業機関(FAO)と食品世界大手米マースは4月4日、食料安全保障の強化で新たなパートナーシップに関する覚書(MOU)を締結したと発表した。
今回の発表は、2015年に締結したパートナーシップを強化したもの。これまでは主に農作物における薬剤耐性(AMR)問題で協力してきた。今回のMOUでは、食料安全保障の強化、ワンヘルス・アプローチの支援、FAOが2019年に設立した貧困と飢餓を撲滅するため農業変革と農村開発を支援する「ハンド・イン・ハンド(HIH)イニシアチブ」で協力を加速する。
ワンヘルスは、環境、動物、人間の健康を包括的に検討し解決していくアプローチ。世界銀行は、ワンヘルスの経済的メリットも強調しており、ワンヘルス・アプローチの投資利益率は最大90%と見積もっている。国連環境計画(UNEP)、FAO、国際獣疫事務局(WOAH)、世界保健機関(WHO)で構成する「四者機関」は2023年12月、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、各国でのワンヘルスに関するアクションを強化するため、「国レベルでのワンヘルス共同行動計画実践ガイド」を発行した。
【参考】【国際】四者機関、各国政府向けワンヘルス共同行動計画実践ガイド発行。COP28(2023年12月12日)
HIHイニシアチブは、国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標1「貧困」、目標2「飢餓」、目標10「不平等」の達成を目指し、地理空間モデリング等の高度な分析と世界の主要な研究機関とパートナーシップにより、国家主導の農業システムの変革を支援している。
今回の発表では、民間セクターでの国際的な食品安全基準であるコーデックス規格(コーデックス・アリメンタリウス)を利用拡大するためのガイダンス開発や、とうもろこしのバリューチェーンにおいて、穀類等に繁殖するカビの代謝生産物で人間や動物に毒性のある物質であるマイコトキシン(かび毒)管理に関する科学的、技術的な専門知識の共有で協働するとした。
【参照ページ】FAO and Mars join forces again to strengthen food safety
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら