
科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は4月19日、同評議会(最高意思決定機関)が4月9日に発表した声明について、「デリケートな分野であることを認識し、この声明が誤った解釈を招きかねないものであったことを遺憾に思う」と表明した。
SBTiが4月9日に発表した声明は、カーボンクレジットを温室効果ガス排出量スコープ3の削減用途に用いることができるというもので、その後、全面的にスコープ3でのオフセットが解禁されるのではないかという解釈報道が広がっていた。
【参考】【国際】SBTi、カーボンクレジットでの「カーボンインセット」容認を公式決定。7月に原案発表(2024年4月12日)
SBTi評議会は今回、4月9日の声明は、「気候変動緩和において環境属性証書が果たしうる役割をさらに探求するための戦略的な舵取りだった」と説明。「マーケット型手段(Market Instrument)を使用する可能性がある場合、短期及び長期の双方で世界の排出量が確実に減少するようなガードレール、規則、閾値が含まれることを引き続き確保していく」と伝えた。
4月9日の声明発表については、SBTi従業員にも事前に知らされていなかったことから解釈により動揺が広がった模様。同評議会は今回、「組織の標準的な運営手順を尊重しつつ、SBTiの戦略的方向性を定めるという権限に従って行動した」と発表に至った見解を述べた。その上で最終的なルール決定前には、改訂プロセスおよび関連するすべてのステークホルダーとのコンサルテーションを確実に実施していく考えを表明した。
同評議会は、EQTパートナー(元エネルCEO)が議長。他に、世界資源研究所(WRI)CEO、世界自然保護基金(WWF)気候&エネルギー・リーダー、We Mean Business Coalition CEO、CDPチーフ・インパクト・オフィサー、ウッドロー・ウィルソン・センター特別フェロー兼オックスフォード大学特別フェロー兼WRI特別フェロー、法律事務所Akin Gump Strauss Hauer & Feldパートナー、ノボザイムスCEOが委員。国連グローバル・コンパクト(UNGC)SBT設定シニアプログラムオフィサーが常駐国連顧問として同席している。
【参照ページ】Update 19 April 2024 to the Statement of the SBTi Board of 9 April 2024
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