
マレーシア政府は6月25日、2035年までに石炭火力発電所を50%削減し、2044年までにすべて廃止することを目指すと発表した。労働者向けの再教育プログラムを通じ、新たな機会として再生可能エネルギーの導入の促進も並行していく。
今回の方針は、英政府とカナダ政府が2017年に発足した国際イニシアチブ「脱石炭国際連盟(PPCA)」のハイレベル対話の中で発表された。PPCAは、削減努力のない(Unabated)石炭火力発電の段階的廃止にコミットする団体で、政府だけでなく自治体も加盟している。PPCAには60カ国が加盟しており、G7のうち米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダは加盟済みで、日本のみ未加盟。
【参考】【国際】COP28、脱石炭同盟に米国等9ヶ国が加盟し、59カ国に。日本は加盟見送りか(2023年12月6日)
今回のイベントでは、2025年の国連気候変動枠組条約第28回ベレン締約国会議(COP30)で提出予定の国別削減目標(NDC)の野心度を高めるため、政府、国際機関、企業のCEO等が各国政府に対し、2024年中に「新規石炭火力発電所建設ゼロ」と「1.5℃目標に沿った石炭火力発電所の段階的廃止」にコミットするよう要請した。マレーシアの宣言は、この要請に応えた形。
PPCAは英国政府、カナダ政府、ブルームバーグ・フィランソロピーと共同で、早期廃止、公正な移行、供給の安定という主要課題に焦点を当てた「ソリューション・ダイアログ」を開催予定。8月には第1回をチリで開催し、9月と10月には米国、インドネシア、シンガポールでイベントを開催する。
さらに、2023年のCOP28でフランス主導のもと発足したクリーン・エネルギーへの公正な移行促進イニシアチブ「Coal Transition Accelerator(CTA)」では、各国政府、国際機関、金融機関を招集し、石炭からの脱却を促進するための官民の新たな資金源を開放するために協働し、COP29までに新たな政策提言を発表予定。
【参照ページ】The Powering Past Coal Alliance kicked off the Solutions Dialogues, a global event series to raise ambition and accelerate action on coal phase-out, convened by the governments of the United Kingdom and Canada, and Bloomberg Philanthropies.
【画像】The Powering Past Coal Alliance
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