
世界経済フォーラム(WEF)は6月26日、WEFのニュー・チャンピオン年次総会(夏季ダボス会議)の場で、世界の建築セクターのカーボンニュートラルとネイチャーポジティブに関する報告書を発表した。
同報告書は、世界の建築セクターにおける気候変動対策と変革のためのロードマップを概説したもの。ボストンコンサルティンググループと共同制作し、建築物のバリューチェーン全体の移行戦略で11分野を特定した。
同報告書では、建築物は世界の温室効果ガス排出量の37%を占め、地球上の生物種の34%が影響を受けていると報告。今後の数十年で特に新興国で急速に都市化が進むと予想されているため、建築セクターのグローバルなバリューチェーンと建築物のライフサイクル全体で、グリーン転換への包括的なアプローチが必要と伝えた。
グリーンビルディングの「ネットゼロ」「積極的な自然の導入」「レジリエントの最大化」「ウェルビーイング志向」の4つの特徴を定義し、温室効果ガス排出量を削減するための11の重要な手段を整理した。
11の手段は、「グリーンエネルギー供給」「資源と鉱物の再循環」「伝統的な材料の脱炭素化」「冷暖房システムのアップグレード」「統合エネルギーマネジメント」「建築物の断熱」「持続可能な素材への転換」「共用施設とサービス」「自給自足施設」「水のリサイクル」「グリーンビルティングの4つの特徴のための設計」。これらを適切に実行することで、温室効果ガス排出量を最大80%、経済効果は2030年までに1.8兆米ドル(約280兆円)とした。
(出所)WEF
また、中国は世界最大の建築市場であり、毎年世界の50%の新しい建築物が中国で建てられる。中国での建築バリューチェーンのグリーン転換の重要性を強調すると共に、不動産開発企業、設計事務所、セメントメーカー等のバリューチェーンに関わる様々な企業のケーススタディを紹介した。
【参照ページ】Green Building Revolution Could Open $1.8 Trillion Global Market Opportunity by 2030
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