
 科学的根拠に基づく環境目標策定イニシアチブScience Based Targets Network(SBTN)は10月30日、科学的根拠に基づく自然目標メソドロジー「SBTs for Nature(自然SBTs)」に基づき、3社の目標を承認した。SBTNが目標承認をしたのは今回が初。承認されたのは、ケリング、グラクソ・スミスクライン、ホルシム。
 SBTNは9月23日、陸域と淡水域の科学的根拠に基づく目標メソドロジー「SBTs for Nature(自然SBTs)」で、17社が参画していた実証プログラムの成果を公表。目標承認第一陣は、実証参画企業から誕生することが明らかとなっていた。
 実証プログラムに参画していたのは、カルフール、テスコ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、H&M、ケリング、LVMH、ロクシタン、ネステ、ネスレ、ABインベブ、ヒンディスタン・ジンク、ホルシム、ベル、UPM、コービオン、ダノンの一部のアルプロ、サントリーホールディングスの17社。今回、ケリング、GSK、ホルシムの3社が一早く承認まで漕ぎ着けた形。
【参考】【国際】SBTN、実証プログラム企業で自然SBT目標承認第1陣が誕生。第2弾実証も開始へ(2024年9月24日)
 今回の承認では、ケリングは陸域と淡水域の双方、GSKとホルシムは淡水域で目標が承認された。
 ケリングは、同社が所有するタンナーや工場、及び上流サプライヤーを含み初の淡水量目標を設定した。さらに土地への影響に対処するため、土地のフットプリントを削減し、自然生態系の転換を防止する。同社は、木材やゴム等の主要商品の調達でも認証素材の活用を継続し、土地と水のフットプリントの両方を改善するサプライチェーンにおけるリジェネラティブ農業の実践を促進する努力も継続していく。
 GSKは、2030年までに水ストレスの高い地域での事業でウォーター・ニュートラルを実現する。実証プログラムでは、水ストレスの高い流域に位置するインドのナシクにある製造拠点に焦点を当て、淡水へのアプローチを検証。その結果、インドのゴダヴァリ上流流域を最初のターゲットとして、直接事業における淡水量の目標を設定した。
 ホルシムは、直営事業所の詳細な水データを基に、メキシコのモクテスマ流域を対象に、直営事業所の淡水取水量を削減する目標を設定。同社はすでにサプライヤーと協力し、地理的位置情報を収集し、科学的根拠に基づく目標設定のためのトレーサビリティを高めている。
 パイロット参画企業17社は、プログラム終了から6ヶ月間(2025年1月10日まで)までに目標を設定しなければならない。SBTNは、2025年初頭にウェブサイト上で「企業目標トラッカー」を公開し、設定された目標の進捗状況を示していく。
 SBTNによると、現在、SBTNのコーポレート・エンゲージメント・プログラムとサービス・プロバイダー・プログラムを通じ、すでに150社を超える企業が目標設定の準備を進めている。
 またSBTNは、メソドロジーの策定も同時並行で進めており、生物多様性に関するメソドロジーの完成や、実務ガイダンスの策定等も2025年以降に予定している。
【参照ページ】SBTN announces first companies publicly adopting science-based targets for nature
    
    
	 
	
    
    
    
        
            
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