
総合電機世界大手独ボッシュは3月18日、ドイツのニュルンベルク工場で、最先端の金属3Dプリンターを導入すると発表した。総投資額は約600万ユーロ(約9.7億円)。欧州の1次サプライヤー(ティア1)で初。
同施設では、開発工数の短縮、生産性の向上、環境負荷の低減を目指す。金属3Dプリンターにより、従来の切削加工では不可能だった複雑な構造も製造可能となり、原材料の廃棄物もほぼゼロに削減することで、資源の節約とコスト削減につながる。
製造する部品は、水素関連部品、EV用モーターハウジング、e-axles(eアクスル)、レーシング用エンジンブロック等。特にエンジンブロックは、3Dプリンターでは設計データを直接プリンターに送信することで複雑な鋳型が不要となる。そのため、従来の製造プロセスでは設計から量産まで最大18ヶ月が必要だが、数日で完成させることができ、製品開発全体の時間を大幅に短縮できる。
生産速度は1時間当たり最大1,000cm3、年間最大10tの金属部品を生産する。自動車向け部品の生産に加え、エネルギー、宇宙業界向けの生産も検討する。
今回導入したのは、ニコンの金属3DプリンターであるSLMソリューションズNXG XII 600。12基のレーザーを使用することで、従来の金属3Dプリンターと比較して最大5倍の生産速度を実現可能。ニコンは2025年2月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」の実施機関に採択されており、金属3Dプリンターでの装置開発及び基盤技術開発を行う。
【参照ページ】Bosch invests millions in metal 3D printing center
【参照ページ】JAXA宇宙戦略基金事業「宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」の実施機関に採択
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