IT世界大手米フェイスブックは8月19日、水消費量以上の水を水系に還元する「ウォーター・ポジティブ」を2030年までに達成する目標を新たに設定した。同社は、2030年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成目標を宣言済み。今回、二酸化炭素排出量だけでなく、水リスクへの対策にまでアクションを拡大する。
ウォーター・ポジティブ達成には、水ストレスの高い地域での水域保全アクションに加え、同社拠点での水消費効率の改善が重要。同社は過去10年間、データセンターでの水・エネルギー効率の改善に投資してきた。2020年には、データセンターでの使用電力を100%再生可能エネルギーに転換。風力発電や太陽光発電では、石炭火力発電よりも水消費量が少ないため、二酸化炭素排出量削減と並行し、水消費量も削減を進めている。
また水消費効率の改善では、水リサイクル・システムを活用する他、データセンターの水消費効率改善のための新技術も開発。外気を活用し、データセンターを冷却することで、水消費量を一般的な企業比80%削減することにも成功している。
さらに同社は、水域保全プロジェクトにも投資。2020年には、水約22億lを還元し、地域コミュニティや周辺の生態系の改善に寄与していると語った。例えば、米国ニューメキシコ州ベルナリオでは、水基金「Rio Grande Water Fund」へ資金を拠出。水ストレスの高い地域での氾濫原の保全や生物多様性の向上を支援した。
同社は現地NGOと協働し、ニューメキシコ州、アリゾナ州、テキサス州、ユタ州、オレゴン州、カリフォルニア州で水保全プロジェクトを展開中。今後は、シンガポールやインド、英国、メキシコ等へ同様のアクションを拡大予定。
【参照ページ】Restoring More Water Than We Consume by 2030
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