国際環境NGOグリーンピースは9月22日、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車、本田技研工業、現代自動車の4社について、EU、米国、中国の各市場での燃費水準を分析したレポートを発表した。
今回の調査では、中国では2016年から2020年の5年間、EUでは2016年から2019年の4年間、米国では2017年から2019年の3年間の、現地での販売車両の平均燃費水準を分析対象とした。
まず現代自動車に関しては、EU内では燃費規制をクリアし、2019年から2020年にかけては現代自動車ブランドでは25%、起亜自動車ブランドでは24%、燃費が改善。しかし、中国と米国では、2017年から2020年までに2ヶ国、4カ年での6個の達成期間の中で、4回も基準を満たしていなかった。グリーンピースは今回、現代自動車は、2040年までのガソリン・ディーゼル車両廃止を表明しているものの、対象地域を米国、EU、中国のみに絞っている点も批判した。
トヨタ自動車は、EUと米国では常に基準を満たしていたものの、中国では2017年から2019年まで3年連続で未達成だった。中国では、燃費の悪い車をトヨタ自動車が積極販売していると批判した。但し、2020年に関しては、中国市場で唯一、天津一汽トヨタ自動車だけが燃費基準を満たしていた。
米国市場では、トヨタ自動車と本田技研工業は、水準を達成。一方、フォルクスワーゲンと現代自動車は未達成だった。
今回の結果は、トヨタ自動車や本田技研工業が、ハイブリッド車を積極投入してきたのに対し、現代自動車とフォルクスワーゲンは、ガソリン・ディーゼル車から、一気にEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)へとシフトさせていることと関係している。今後、現代自動車やフォルクスワーゲンが、EVやFCVへシフトする速度が加速していけば、日系メーカーとの立場が逆転する可能性もある。
【参照ページ】The world’s top carmakers are holding us back on climate action–by violating CO2 regulations in certain markets
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