マーケットでのサステナビリティを追求する非営利組織Ceresは、2014年度に機関投資家などの株主が株主総会の場で企業に提出した、温室効果ガス(GHG)削減やエネルギー効率化などの取り組みを求める株主決議が過去最多となり、投資家が企業に対しより一層の気候変動対策を求める傾向にあると発表した。
Walden Asset Management、the New York State Comptroller’s Office、the California State Teachers’ Retirement System、Calvert Investments、the Connecticut Treasurer’s Office、Trillium Asset Management、Mercy Investments、Green Century Capital Managementらを筆頭に、Ceresとネットワークをつくる35の機関投資家は、118の企業の株主総会で提出された、GHG削減をはじめ広く気候変動に関する142件の株主決議をまとめた。企業にはChevron、ConocoPhillips、 Kinder Morgan、 Lowesなどが含まれている。
過去最多を記録した背景には、投資家にも企業にも、気候変動に対応するため、企業活動に高いハードルを設定し、対策を拡充させていかないといけないという共通の意識があり、投資家がかつてないほどに、気候変動や環境問題が企業のポートフォリオに与えるリスクとチャンスについて関心を強めている実態を反映している。最近の調査では、Standard & Poor's 500 Stock Indexの上場企業を含む多くのアメリカ企業が、二酸化炭素排出削減技術への投資で、全体の資本投資に比べ、高い収益率での回収を達成していることが明らかになっている。
企業側も株主決議を受けて具体的な気候変動対策の実施を宣言するなど目に見えた成果が出始めている。Church & Dwighは、Trillium Asset Managementの提出した株主決議に対して、GHG削減の数値目標の設定と、気候変動リスクマネージメントについての情報開示の拡充に合意した。Advance Auto Parts、 Denbury Resources、 Cabot Oil and Gas、 and Lincoln Electric Holdingsも、Walden Asset Managementとの取り決めに従う形で、同様の情報開示の拡大を決めた。またMercy Investments at BorgWarnerの決議のように、GHG削減だけでなく、工場排水などの産業廃棄物についても企業に改善を求めるものある。またKellogCo.は今年2月、Green Century Capital Managementによってまとめられた株主決議案を受けて、森林伐採をしないパーム油の使用を約束した。
2014年度に提出された決議の主なトピックは以下の通り。
・包括的なサステナビリティに関するレポート
・温室効果ガス削減の数値目標
・メタンガス削減
・カーボンリスク分析
・エネルギーの効率化energy efficiency
・森林伐採と持続可能な農業deforestation and sustainable agriculture
・気候やエネルギー政策へのロビー活動への投資
・銀行の融資による温室効果ガス削減
・再生可能エネルギー調達の計画
・環境の専門家の理事登用
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