世界最大の家具販売店IKEAは、2014年秋にカンザス州メリアムでオープン予定の新店舗に、大規模な太陽光発電設備を設置すると発表した。この屋上太陽光発電設備が完成すれば、カンザス州最大の設備となる。
約8,500m2の屋上面積に2,850枚のパネルが設置される予定で、年間約1,348,000kWhの電力が新店舗に供給される。また、太陽光発電設備の導入により削減されるCO2排出量は約930トン。これは、自動車196台分に相当する。供給電力量に関しては、128世帯が1年間に使用する電力量に匹敵する規模だ。(米国環境保護庁が提供する”Greenhouse Gas Equivalencies Calculator”に基づき算出。)
カンザスシティから北西約13kmに位置するメリアムという町に建設される新店舗は、広さ約33,400m2の店舗と1,200台分の駐車スペースを合わせて、敷地面積約76,900m2という規模。メリアム店は、IKEAとして2店舗目となる地中熱利用冷暖房システム導入店舗となる予定だ。
IKEAメリアム店の店長を務めるRob Parsons氏は、「地中熱と太陽光エネルギーを利用することにより、新店舗でのエネルギー使用量を抑え、二酸化炭素排出量も低減できる。それだけではなく、多くの人々により良い生活を提供する、というIKEAのビジョンの実現にもつながる」と語る。
太陽光発電設備導入は、米国内IKEAにおいて41例目となり、米国内IKEAの約90%が屋根上太陽光パネルを備えていることになる。その最大総発電量は40MW。IKEAはすべての太陽光発電設備を自社で所有・管理しており、さらに、全世界における2015年までの再生可能エネルギー関連予算として、18億ドルを見込んでいる。
また同社は、2020年までのエネルギー自立に向けた取り組みとして、既に全世界において550,000枚の太陽光パネルをビルの屋上に設置、ヨーロッパとカナダには157基の風力タービンを所有している。さらに米国内においても49基の風力タービンを建設中だ。
IKEAは、優れたビジネスと環境保護への取り組みは表裏一体であると信じている。米国内での例を挙げると、太陽光発電以外にも、廃材のリサイクル、エネルギー効率の高い冷暖房空調設備や照明の導入、天窓を備えた倉庫の建設、節水機能付きトイレの導入など、同社の取り組みは幅広い。
店舗運営においては、顧客へ蛍光灯のリサイクルを促すとともに白熱電球の販売を徐々に減らし、2016年までにはLEDのみを販売する計画をしている。さらにビニール袋の使用も廃止した。既に13店舗に設置完了している電気自動車充電スタンドについては、今後もその数を増やす予定だ。
スウェーデンで誕生したIKEAは、1943年の創業以来、デザイン性・機能性に優れた家具を、多くの人々が手に入れられるよう、低価格で提供し続けてきた。現在IKEAは、米国内の38店舗を含め世界44ヶ国に350店舗を展開している。
IKEAのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」。同社にとって、自社のビジネスを通じて環境資源を損なうことはビジョンに反する取り組みなのだ。サステナビリティ戦略を本業と統合し、ビジョンを実現するために先進的な取り組みを加速し続けているIKEAに今後も注目していきたい。
【企業サイト】IKEA-USA
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