世界最大のビール醸造会社、HEINEKEN Group(ハイネケン・グループ)であり、ポルトガルのリスボン近郊でビール醸造を行うソシエダ・セントラル・デ・セルヴェジャス(以下、SCC)が、ゼネラル・エレクトリック(以下、GE)の節水技術により大幅に水の使用量を削減することに成功した。
同社は排水を冷却塔で使用する水として再利用することで、年間7,200万リットルの節水が可能になり、醸造工程における生産能力が40%増加した。
この大幅な節水と水の再利用に対する新たなアイディアが認められ、GEからSCCにエコマジネーション賞が贈られた。GEのエコマジネーション賞はGEのエコマジネーション・コミットメントの一部で、環境面、産業面、サステナビリティのバランスを保つ優れた取り組みを行った企業などに贈られる賞だ。GEのエコマジネーション・コミットメントは特に水不足のような厳しい環境課題に対応する技術とソリューションの開発に重点を置いている。
SCCのCEOを務めるRonald den Elzen氏は、「SCCはビール会社として社会に良い影響を与えるべく、継続的に環境へのインパクトを減らす努力をしている。ビールの醸造には水が欠かせないため、その水という貴重な資源の利用を減らし、サステナビリティを高めることにコミットしている」と述べた。
同社はいくつかの地下水を確保していたが、醸造所のニーズを満たすには十分ではなかった。他の選択肢として非常に高価な上水道を使用することもできたが、ポルトガルは今後数十年にわたって水不足に陥る可能性が高いとされており、その解決策として同社が考えたのは先進的な水技術を持つGEからの協力を得ることだった。
GEの低ファウリング逆浸透膜と高度な化学技術のおかげで、SCCは醸造工程における水使用効率を向上させ、コスト削減を果たした。GEとSCCの環境に対する共同の取り組みは今回が初めてではないが、年間7,200万リットルの節水という実績は革新的だ。
今回のSCCとGE社の取り組みのように、今後は豊かさを追求するための技術だけではなく、サステナビリティを実現するための技術がより重要性を増してくる。水不足や環境問題といった社会課題を解決する最新技術の開発が大きなビジネスチャンスをもたらす時代が到来している。
【企業サイト】Sociedade Central de Cervejas
【企業サイト】General Electric Company
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