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【アメリカ】企業の気候変動に向けた取り組みを後押しする投資信託が増加

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世界のサステナビリティ業界を代表するアドボカシーNGOのCeresは11月13日、米国の投資信託企業らが自身のポートフォリオに内在する気候変動リスクに対処するために、企業に対してより積極的な株主行動を示すようになってきているとの調査結果を発表した。

Ceresの調査結果によると、この11年間で投資信託らによる企業の気候変動対策に関する株主決議を支持する動きが年々活発化しており、Morgan Stanleyを筆頭に GMO、John Hancock、Delaware、Oppenheimerなど11の投資信託で昨年より顕著な伸びを示しているという。また、米国の42の投資信託のうち13が50%以上、うち6つは80%以上の気候変動関連の株主決議を支持しており、昨年に引き続き2014年も100%の決議を支持しているDeutsche Asset Management(DWS Funds)が業界の動きをリードしている。

一方で、Vanguardを含む8つの投資会社が気候変動リスクに関する決議を支持していないという点も指摘されており、2兆4000億ドル以上の巨額資産を運用しているVanguardがこの流れに加われば、他の大型投資信託にも影響を及ぼし、未だに化石燃料と深い関わりを持っている企業に対しても気候変動リスク対応に向けた強いメッセージを発信することができるとしている。

Ceresで投資家担当ディレクターを務めるRob Berridge氏は「自社のポートフォリオを気候変動のインパクトから守る上で明らかかつ簡単な最初の一歩は、株主決議により企業に対して気候変動のリスクを開示、軽減するように求めることだ。未だいくつかの例外はあるものの、投資信託業界全体がその方向に向かっているのは喜ばしいことだ」と語る。

またCeresの代表を務めるMindy Lubber氏は「気候変動は今や世界経済への最大の脅威の一つであり、他の問題より最優先で議論しないといけない」と警鐘を鳴らす。同じく本調査に加わったFond VotesのJackie Cook氏は「これらの株主決議の増加は、温室効果ガスが企業にもたらすコストに対する投資家の懸念が高まっていることを示している。現時点では有価証券情報には温室効果ガスの削減量や削減目標に関する数的情報はほとんど又は全く含まれておらず、削減に関する規制や気候変動の物理的なインパクトがどの程度将来のビジネスに影響をもたらすかも不透明ではあるものの、投資信託は将来リスクに備えて決議をしていく」と語る。

なお、Ceresによると、温室効果ガス排出量削減に向けた投資信託からの企業に対する情報開示要求事項としては主に下記の3つが挙げられるという。

  • 温室効果ガス削減の数値目標を含むサステナビリティレポートを用意すること。
  • メタン排出削減の数値目標の設定、開示、測定に向けたアクションと計画、方針を評価したレポートを用意すること。
  • 温室効果ガス排出量の削減に向けた具体的な数値目標を導入すること。

米国では投資家からの圧力によって企業はますます気候変動に対する積極的な情報開示とリスク管理が求められるようになりつつある。

【リリース原文】Analysis Shows Growing Support from U.S. Mutual Funds for Action on Climate Change Risks
【団体サイト】Ceres

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