スマートフォンが世界的に普及しつつある今、モバイルアプリをサステナビリティ向上への活用できる可能性が高まってきている。消費者は様々なモバイルアプリの利用を通じて意図する、しないに関わらずよりサステナブルな消費行動を取り入れるようになってきているのだ。
英国コンサルティングファームWSP Groupは先日、独自の評価手法で世界のサステナビリティに貢献しているモバイルアプリランキングTOP20をまとめたホワイトペーパー“Apps for the Environment”を公表した。
同ホワイトペーパーでは、eBayやKindle、Skype、Google Maps、AirBnBなどの人気アプリがサステナブルな消費行動に貢献している最も優れたアプリとして紹介されている。
ランキングのトップとなったのはeBayで、その知名度の高さと、簡単に不要なものを売ることができる機能(廃棄物や新しい商品を購入する必要性が軽減される)が評価された。また、電子書籍の推進により書籍への紙利用削減に貢献しているKindleや、オンライン通話により移動コストの削減に貢献しているSkypeなどが上位にランクインしている。
同ランキングの評価にあたり、WSPが採用したランキングの基準は下記の通りだ。
- グローバルにおけるダウンロード数(インパクト)
- ユーザーの粘着性(アプリの評価や、機能性、ユーザーのコメントなどを含む)
- 環境へのインパクト
格付は5を最高とする0?5の6段階で、最高評価の5はサステナブルな行動や選択の促進を主目的とするアプリに限定されている。また、今回選出されたアプリは、下記5つのアプローチを通じてサステナビリティ向上に貢献している。
- 再利用や中古利用を促す(eBay、Gumtree)
- 燃料消費を削減し、公共交通機関の利用を促進する(City Mapper)
- 食習慣を変え、食の浪費を削減する(Love Food Hate Waste)
- 消費者がよりサステナブルな商品を選択ができるよう支援する(Good Guide)
- 素材をデジタルに置き換える(Sportify、Kindle)
WSPデジタル部門でトップを務めるAndy Porter氏は、「この研究から我々が学んだことは、最もサステナブルなアプリが必ずしも最も環境に配慮されたアプリである必要はないということだ。むしろ、最も人気のあるプログラムは我々の日々の生活の一部となることで、生活の妨げとなることなく、市民としてのライフスタイルの選択を強化している。人々がお金を稼ぎ、貯蓄し、より豊かな生活をおくる手助けをすることが、常に最も興味を魅かれるアプローチである、ということが今回の我々の研究結果に現れている」と語る。
今回のランキングでもサステナビリティ向上そのものを目的としたアプリではなくても、KindleやSkypeのようにその利用を通じた消費者行動の変化により大きな環境負荷削減につながるものが上位に選出されており、モバイルのアプリは様々な角度からグローバルのサステナビリティ向上に貢献できることを教えてくれる。
【ホワイトペーパーダウンロード】Apps for the Environment
【リリース原文】eBay and Kindle rated the most sustainable apps by WSP
【参考サイト】Sustainable Brands "eBay, Kindle Rated Most Sustainable Apps"
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