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【アメリカ】EPAとユニリーバ、動物実験を用いない化学物質のリスク評価に向け研究協力

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 米環境保護庁(EPA)と消費財大手のユニリーバは9月8日、動物実験データを用いずに消費財に含まれる化学物質の安全性評価を行う方法について研究協力することを発表した。

 今後、EPAとユニリーバは化学物質の安全性テストやリスクアセスメントをより迅速かつ安価に、そして動物実験を用いずに実施するための革新的な方法の開発に向けて協働していく。化学物質の安全性を査定・管理し、数多くの化学物質の人体の健康へのリスクを効率的に定量化するための強固な科学的基礎を提供する予定だ。

 EPAは化学物質の自動スクリーニング技術を用いて化学物質に関するデータを提供し、一方のユニリーバは長年培った消費財に関する専門知識を活かしてその化学物質の曝露量を測定する。そして両者はそれらの情報をリスクアセスメントに結びつける。

 ユニリーバは有害性および曝露量予測の双方を含むリスクアセスメントを通じたモデル手法の開発のためのデータ生成、統合を支援するために、80万米ドル以上を投じて同社の科学的知見を提供する予定だ。このユニリーバの取り組みは、同社の製品の安全性や環境面のサステナビリティを保証するための研究機関、Safety and Environmental Assurance Centre(SEAC)から始まったもので、同社は動物実験を使用しない手法を模索するこの研究領域は長きに渡る科学上の重大課題の一つだとみなしているとしている。

 Safety and Assurance Centreの副代表を務めるJulia Fentem氏は「この研究協力は、消費者や環境の安全性を確保しつつ動物実験のニーズを減らしていくというユニリーバの長年の目標にとって非常に重要だ。人体内の細胞や分子レベルで化学物質の曝露量を正確かつ迅速に測定する科学的ツールが開発されれば、動物実験のデータを使用しないリスクアセスメントを実現するための大きな一歩となるだろう」と語る。

 また、EPAのNational Center for Computational Toxicologyの代表を務めるRussell Thomas氏は「この研究が成功すれば、新しい成分や化学物質の、現在ほとんど知られていない潜在的な人体への影響を評価するより良い方法となるだろう。そして企業と政府機関の双方が、この方法を安全性の検証に伴うコストの削減や、化学物質のリスクアセスメントの迅速化のために用いるようになるだろう。」と語る。

 近年、動物実験の倫理性を疑問視する声は世界的に高まっている。今回の研究協力により動物実験によるデータを用いない新たなリスクアセスメントの開発が実現できれば、化学物質を使用して製品を製造している企業にとっては大きな進歩となる。今後の研究の進展と成果に期待したい。

【参考サイト】Safety Science in the 21st Century-Unilever
【参照リリース】U.S. EPA AND UNILEVER ANNOUNCE MAJOR NEW RESEARCH COLLABORATION TO ADVANCE NON-ANIMAL APPROACHES FOR CHEMICAL RISK ASSESSMENT
【企業サイト】Unilever
【団体サイト】Safer Chemicals Research-EPA

(※写真提供:Nessluop / Shutterstock.com

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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