持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)を推進してきた「責任ある観光機関(Responsible Tourism Institute)」、「世界持続可能な観光協議会(Global Sustainable Tourism Council)」とバスク観光局は11月27日、1995年に採択された「世界持続可能な観光憲章」20周年を記念して、スペインのバスクで「世界持続可能な観光サミット」を開催した。サミットの開催には、国連世界観光機関(UNWTO)、世界遺産を管轄するUNESCO、国連環境計画(UNEP)、気候変動枠組み条約パリ会議がスポンサーとして協力しており、新たに「世界持続可能な観光憲章+20」を参加者の全会一致で採択し閉幕した。
新憲章のポイントは、今年国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を持続可能な観光の概念に取り入れていくという点にある。観光業が自然環境や先住民族文化を破壊するのではなく、それを保護し産業育成していく担い手となるよう、国際機関や政府、旅行業界、旅行者に対して提言をまとめった形となっている。特に生物多様性に関しても言及されており、1995年に初版の憲章ができて以来国際条約などでまとめられてきた原則を尊重することを明記した。また、憲章の中では、「持続可能な観光」の進展をモニタリングするための事務局を設置するようサミット主催者に対して要請する内容も含んでおり、着実に考え方が業界全体に浸透していくことを強く求めている。
この憲章は関係者の自発的な取組であり法的拘束力を持つものではないが、持続可能な観光の考え方を知ることができる優れた文書だ。SDGsをどのように経営に生かしていくかを検討するにあたり、観光業の方々にはぜひ一読していただきたい。
【参照リリース】El turismo se reivindica como un factor clave para la sostenibilidad y la paz
http://www.deia.com/2015/11/28/sociedad/euskadi/el-turismo-se-reivindica-como-un-factor-clave-para-la-sostenibilidad-y-la-paz
【新憲章文書】WORLD CHARTER FOR SUSTAINABLE TOURISM+20
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