Corporate Reporting Dialogueは3月30日、同団体に加盟している8つの機関、CDP、CDSB、GRI、IFRS、IIRC、ISO、SASB、(FASBは現在マテリアリティを定義中のため部分参加)がそれぞれ定義する「マテリアリティ」の違いを比較する分析レポート「Statement of Common Principles of Materiality of the Corporate Reporting Dialogue」を発表した。レポートには、マテリアリティ定義の違いだけでなく、8つの機関の共通原則についても記されている。
【参考】【レポーティング】サステナビリティ(CSR)報告ガイドラインを主導するグローバル機関
Corporate Reporting Dialogueは、前述の8つの機関が2014年6月17日に立ち上げた団体。世界的に影響力のあるスタンダード、ガイドライン、フレームワークを司る機関が集うことで、内容の一貫性、統一性、比較可能性を求めるために活動を行っている。各機関のミッションはそれぞれ微妙に異なるが、近年マテリアリティという概念が重要であるということでは一致している。しかし、それぞれのマテリアリティの定義が異なるため、複数のガイドラインに沿った報告書作成をすることが難儀であると指摘されていた。今回のレポートはそれに一定の回答をするものとなっている。
レポートの中では、マテリアリティの共通原則として、
- マテリアリティ分析は基本的に定性的なものである
- マテリアリティ特定は経営陣の視点ではなく、重要ステークホルダーの視点から行わなければならない
- 企業報告書にはマテリアリティに関する情報が入っていなければならない
- 開示データを見積もる際にはバイアスを除き、可能な限りインプットを行い、客観的になされなければならない
- 情報開示においては、合理的な測定方法を超越するまでの正確性は要求されない
などを掲げた。
多くの機関はマテリアリティの定義を一本化していくことは難しいと考えているものの、Novo Nordiskのコーポレート・サステナビリティ担当役員Susanne Stormer氏は今回の声明発表に際し、「マテリアリティを考慮していくことは、企業が戦略や報告書を作成する上でとても重要だ。それによってさらなる価値を追求していくことができる。今回のレポートでマテリアリティの共通認識が示されたことは大きな一歩だ」と高く評価している。
本題のマテリアリティ比較は、4ページにまとまっている。比較的早く読めるため、関係者にはぜひご一読頂きたい。
【参照ページ】Corporate Reporting Dialogue releases a Statement of Common Principles of Materiality
【レポート】Statement of Common Principles of Materiality of the Corporate Reporting Dialogue
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