【日本】三菱商事と伊藤忠商事、ヨーロッパ洋上風力発電事業への参画を相次いで表明 2017/01/02 最新ニュース

offshore-wind

 三菱商事は12月14日、ベルギー最大の洋上風力発電事業「ノーザー洋上風力発電所」に参画すると発表した。ノーザー洋上風力発電所はベルギー沖合約23kmの北海海域に2017年1月から建設を予定しており、2019年夏頃の運転開始を目指している。発電設備容量は約370MW。三菱商事はまず、同社の英国100%子会社Diamond Generating Europeと、同社と戦略提携を結んでいるオランダ公営の総合エネルギー事業会社Enecoで50%ずつ出資するSPC(特別目的会社)を設立。このSPCとベルギーの地方自治体が100%出資するエネルギー・通信会社Nethysが50%ずつを出資しノーザ−洋上風力発電事業会社を立ち上げる。そのため三菱商事の実質持分比率は25%となる。

 同発電所の総事業費は12億ユーロ。そのうち3.33億ユーロを上述の株主からの出資で賄う。残り8.67億ユーロは、EUの政府系金融機関である欧州投資銀行(EIB)、ABNアムロ、Belfius、BNPパリバ、フォルティス、ラボバンク、ソシエテ・ジェネラル、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行の10行が協調融資をする。協調融資の半分はEIBが担い、EIB融資分はEUの戦略的投資欧州ファンド(EFSI)とデンマークの輸出保証期間EKFが半分ずつ融資保証を提供する。この事業の風力発電タービンは、世界大手ヴェスタスと三菱重工が50%ずつ出資しているMHIヴェスタス製の大型タービン44基が導入されることが決まっている。このタービンは発電容量8MWだが、好条件下では5%多い8.4MWの出力能力がある。三菱商事は、すでに洋上風力の専門チームを組成しており、今後の洋上風力発電事業の案件開発を積極化していく。

 また、伊藤忠商事は12月20日、ドイツ最大級の洋上風力発電事業「ブーテンディーク洋上風力発電所」に参画すると発表した。ブーテンディーク洋上風力発電所は、ドイツの北海沖合23kmの排他的経済水域で2015年8月に運転を開始した発電所。発電設備容量は288MW。伊藤忠商事は、デンマーク年金基金PKAが保有する同発電所の権益22.5%を、同社と戦略的提携を結んでいるCITIC Pacificと共同で取得する。風力タービンは洋上風力タービン世界最大手のシーメンス製。

 同発電所のその他の権益保有者には、デンマークの業界年金基金Industriens Pension、シーメンスの投資部門Siemens Financial Services、欧州地域の政府系金融機関が共同設立したMarguerite Fund、フランスの投資ファンドCDC Infrastructureなどがある。今回伊藤忠商事とCITIC Pacificに権益を売却したPKAは、売却した背景について通常長期保有を前提とするが今回は売却益が大きく年金加入者のメリットになると思ったという趣旨の考えを表明している。

 洋上風力の分野を世界的にリードする欧州では、年金基金や投資ファンドなどが出資者となり設立された後、頻繁に受益権が売買されている。この分野に、再生可能エネルギーという新たなビジネスチャンスを掴みたい日本の商社が参入してきている。

【参照ページ】ベルギー最大の新規洋上風力発電事業への参画について
【参照ページ】Belgium’s biggest offshore wind farm Norther has reached financial close and is ready to be built
【参照ページ】ドイツ最大級洋上風力発電事業参画について
【参照ページ】PKA bales-out from Butendiek for solid profit
【機関サイト】OFFSHORE WIND FARM BUTENDIEK

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る